Robert Boschは2017年3月15日(現地時間)、2020年代初頭までに自動運転用コンピュータを量産すると発表した。NVIDIAの車載向けAI(人工知能)スーパーコンピュータ「Xavier(ザビエル)」を搭載した「DRIVE PX」をベースにする。NVIDIAとRobert Boschの提携は、2017年1月に開催したCESのNVIDIAの基調講演で既に発表されている(関連記事:「CES 2017」は自動運転車と人工知能のユートピアだった)。
Robert Boschは事業開拓につながる技術として、AI以外にクラウドやブロックチェーンを挙げている。ブロックチェーンによって、インターネット上でデータをセキュアに共有、所有するとしている。また、ブロックチェーンは中古車の販売時に問題となっているオドメーターの不正操作防止に応用する。車両で表示しているオドメーターの数値を複数のコンピュータに転送し、スマートフォンアプリなどから走行距離を確認できるようにする。クルマのオーナーはオドメーターの表示が正しいことを示す証明書の発行を受けることもできる。
つながるクルマは、ECUとワイヤーハーネスが少なくなる?
Robert Boschは、自動車で無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)が可能になる「コネクテッドゲートウェイ」を2019年に製品化する。2023年以降には、コネクテッドゲートウェイにドメインコントローラーとしての機能も内蔵した「ビークルコンピュータ」を投入。演算処理能力はノートPCとそん色ない4万〜50万DMIPSを想定している。
ボッシュがAI研究に360億円投じる、独米印の開発拠点が2017年に稼働
Robert Boschは、2017年からAIセンターを稼働させる。2021年までに3億ユーロ(約366億円)を投資する。インド バンガロール、米国 パロアルト、ドイツ レニンゲンに拠点を置く。従業員数は各拠点を合計して100人を予定しているが、今後数年で数倍以上に増やす。