さて、イノベーター部門の2016年の競技結果だが、1チーム目の「お助け老人ホーム」(京都情報大学院大学)は、介護施設の見回りロボットがテーマ。同チームが聞き取りを行った介護施設では、夜間の人手不足が深刻な問題になっているという。プライバシー保護の観点から監視カメラが設置できず、老人の徘徊への対応が難しいそうだ。
同チームがLEGOで開発した「イーグル113」は、ライントレースでの巡回が可能。異常を発見したときは、職員のスマートフォンを鳴らして知らせることができる。介護施設ではロボットを壊されるケースもあったとのことだが、このロボットはLEGOなので安く、すぐに直せるというメリットがある。
2チーム目の「ごばりきモーターズ」(日立製作所 ICT事業統括本部)は、宅配便の荷物を自動で受け取れるサービスがテーマ。同チームが考えたのは、ドローンとロボットの組み合わせだ。ネットで購入した商品をドローンが自宅まで運び、家から出てきたロボットに渡す。これなら、忙しくて受け取れないということがない。
一人暮らしだったりすると、荷物が届くまで外出できないし、おちおちトイレにも入っていられない。ニーズはかなり大きいだろうが、無人となると気かがりなのはセキュリティだ。今回のデモで実装が省略されていたのはやや残念だが、同チームはその対策として、無線による相互認証機能や、カメラによる不審者通報機能を考えているとのこと。
イノベーター部門で最後の優勝チームとなったのはごばりきモーターズ。前述のように、イノベーター部門は2016年で終了することが決まっており、2017年からは新たにガレッジニア部門が始まる。デベロッパー部門アドバンストクラスの課題も大幅に変わるだろう。ETロボコンがどのように進化していくのか、今後も注目していきたい。
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