ETロボコンの見どころは、各チームがどんなアイデアで、時間を短縮してくるかというところだろう。普通に思い付く方法では、どれだけ制御を最適化したところで、数秒程度の短縮にしかならない。しかしアイデア次第では、10秒単位の短縮も期待できる。
例えば、Lコースのゲームでは、新幹線の通過を待って土俵に進入し、ライントレースをしつつ、1個1個ブロックを落とし、出口で再び新幹線の通過を待って、土俵を降りるという手順が基本となる。実際、多くのチームがこの手順だった。
しかし何チームかは、2個のブロックの中間点に移動し、走行体を左右に旋回させることで、2個を一気に尻尾で押し出していた。これだと移動の時間がかなり短縮できる。しかもユニークだったのは、そのまま土俵の横から降りて、コースを大胆にショートカットするチームがあったこと。
こうした方法は、ラインをトレースできないため、位置を見失うリスクもある。そのあたりが工夫のしどころだろうが、「DSPシステム部」(九州工業大学情報工学部)はこの方法で、48.2秒という圧倒的な最短タイムでゲームをクリアしていた。
それとLコースで面白かったのは、最後の懸賞を持って行く方法だ。アームで懸賞を持ち上げ、ゴールまで運べばボーナスになるのだが、問題は、カラーセンサーがアームと一体化しているため、アームを上げるとライントレースができなくなってしまうこと。最後のストレートは長く、ライントレースしないとコースアウトする恐れがある。
このリスクを回避するために、懸賞をアームで横に倒してから、尻尾で引っかけて運ぶという方法を採用していたのが「YoungMasters」(SCSK 車載システム事業本部)と「selab」(茨城大学工学部情報工学科)の2チーム。時間的には少し余計にかかるものの、ゴールまでライントレースできるため、より確実である。
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