CX-5のチーフデザイナー、諌山慎一氏は今回のフルモデルチェンジについて「ぱっと見の目新しさやトレンドの表現は求めなかった。新しいモノを追うと深化や熟成ができない。変えないことへの挑戦だ」と説明する。
デザインは先代モデルの魂動デザインを受け継がせながら、どこから見てもスタンスの良い堂々としたフォルムとした。フロントは彫りの深い精悍な表情とし、大人の雰囲気を目指した。また、ボディとキャビンのバランスを見直した。エレガントなつややかさを追求したという。
ボディカラーは造形の美しさを際立させることを目的に開発した新色を設定する。あざやかさと深みを増し、瑞々しくつややかな透明感を持たせた。インテリアは、ドアの内張りなど人の手が触れる頻度が高い場所に対して柔らかい質感の素材を採用するとともにダブルステッチで質感を高めた。
ドライバーも乗員も快適にすることを目標に、静粛性や乗り心地を改善している。静粛性を高めるため、音の発生源の抑制、遮音、吸音にこだわった。外観は、空気の流れが乱されにくいようにワイパーの位置やピラーの形状などに工夫し、走行中の風切り音を抑える。内装材は吸音性を向上し、車内に浸入した音が反響しないようにした。
乗り心地に関しては、G−ベクタリング コントロールによって横や前後方向の加速度をコントロールし、人間の感覚に合った自然で滑らかな動きを実現したとしている。G−ベクタリング コントロールは「アクセラ」を皮切りに搭載モデルを広げている。
小飼氏も「ユーザーのさまざまな要望や指摘を反映させた。これまで乗っていた人に満足してもらえるのではないか。他社のモデルに乗っている人にも、商品力について丁寧に説明する販売としたい」という。
JC08モード燃費は先代モデルと同等だが、排ガス試験の走行モードではなく実際の公道での走行を想定し、実燃費改善につながる改良を加えたという。「カタログ燃費の改善よりも、実際に乗る人が燃費がよくなったと感じられるための改良が重要」(小飼氏)なのが理由だ。
排気量2.2lのディーゼルエンジンは、過給圧の制御を最適化し、より細かな燃料噴射を行う「DE精密過給制御」を採用。アクセル操作に合わせた加速を実現する。
排気量2.5lのガソリンエンジンは、オイルリングの形状を上下非対称とし、ピストンの上下に応じて油膜の厚さを最適化するすることで、機械抵抗を減らした。「エンジンが大きく変わった訳ではないが、抵抗が下がればその分トルクに変わるので、無駄にアクセルを踏まなくてもよく加速するようになる。加速は良過ぎても、無駄なアクセル操作が増える。リニアな加速で思い通りに走れることで、必要十分なアクセル操作となり、実燃費の改善につながる」(マツダの説明員)。
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