CEOのカール・バス氏も、コヴァルスキ氏と同様に、「新たな技術といかに向き合うべきか」について講演した。
バス氏が挙げた例は自動車である。現在、自動車には、自動運転、カーシェアリング、電動化という革新の波が訪れている。まず自動運転については「これまで注力してきたのはドライバー体験の向上だが、今後は自動運転になる以上“乗員(Passenger)体験”の向上に取り組むべきだ」(バス氏)という。そして、カーシェアリングが若い年代で当たり前になりつつあることを指摘し「所有権からアクセス権への変化を受け入れる企業が勝ち残る」と主張。電動化についても、「5年前には狂ったカリフォルニア人のアイデアと言われたが、今では電動化を否定していた企業も取り組まざるを得なくなっている。狂ったアイデアを恐れず、積極的であるべきだ」(バス氏)と強調する。
そしてバス氏は「こういった大きな変化が訪れるときは混乱が起こる。混乱に対しては、無視したり、逃げ出したりしたくなるものだが、逆にそれは新たな価値を生み出すチャンスにもなる」と述べる。
そして、オートデスクが属するソフトウェア産業も、大きな変化による混乱に直面している。バス氏は「例えば、機械学習やAIを、設計ではなくソフトウェアのプログラミングに適用した場合にどうなるか。ソフトウェアの使用状況を監視/分析し、自身をカスタマイズしていけるようになる」「加工のためのパラメーター計算についても、機械学習で自動化できるような取り組みを始めている」と語り、直面している混乱への対応を示した。
そしてオートデスクが提供する製品群についても「われわれは34年間個人向けの製品を作り続けてきたが、これからは個人向けではなく、チームが力を発揮するためのツールを開発していく」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.