製造業にとってIoTを活用したサービスによる収益化はハードルが高い。IoT活用サービスの収益化に役立つソリューションを提供しているジェムアルトのライラ・アラドアラン氏に、国内外におけるIoT活用サービスの収益化事例を中心に話を聞いた。
製造業がIoT(モノのインターネット)の活用を検討する際には、モノづくりの効率化によるコスト削減と、自社製品にサービスを付帯すること(サービス化)による収益向上という2つの方向性が出てくる。
モノづくりの効率化については、まずは自社内で取り組めることもあってか、既に幾つかの事例が出てきている。一方、サービス化については、顧客の反応を見て行く必要があることもあって、モノづくりの効率化よりも進展しているとは言い難い状況だ。
特にサービス化によって収益を得るのは、今まで製品売り切りでやってきた製造業にとって異なるビジネスモデルになることもありハードルが高いといわれている。
このIoT活用サービスの収益化に役立つソリューションを提供しているのがGemalto(ジェムアルト)だ。ソフトウェアのライセンス管理や収益化を行うプラットフォーム「Sentinel」により、月次や週次などでIoT製品のサービスを収益化することが可能になるという。ジェムアルトのDirector of Product Management, Software Monetizationを務めるライラ・アラドアラン(Laila Arad-Allan)氏に、国内外におけるIoT活用サービスの収益化事例を中心に話を聞いた。
MONOist 今朝は、ITmediaエグゼクティブ主催の朝食会で「IoTの収益化」についてディスカッションしてきたと聞いています。
アラドアラン氏 今日は、IoT活用サービスのパイオニアであるGEが、ヘルスケア分野のデバイスでどのような取り組みをしているかを聞くことができた。そこで話題になったのが、IoTという手段というよりも、顧客に価値をどのように提供するかだった。
確かにIoTという言葉が注目されているが、重要なのは顧客にどのようなサービス=価値を提供できるかだ。その点でディスカッションできたのは意義のあることだった。
MONOist IoTを活用したサービス提供は難しいというイメージが強い。どうすればハードルを下げられるのでしょうか。
アラドアラン氏 IoT活用サービスでは、コネクティビティ、データ、エコシステムを活用することで価値を提供し、それを収益化することが重要になる。そこでいう“価値”の中核になるのは、ハードウェアではなくソフトウェアだ。
例えば、朝食会で出たGEヘルスケアの事例では、マンモグラフィーについて、ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドといった機能を、ソフトウェア管理によって実現している。どの機能であっても、ハードウェアは同一だ。
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