最後に触れておきたいのがバスの展示です。インドの都市部では以前から、渋滞だけでなく大気汚染も問題視されてきました。そこでバスメーカーは、環境問題に配慮したハイブリッドや電動のコンセプトモデルを積極的にアピールしています。

電動やハイブリッドの路線バスが目立った。タタはCNGハイブリッドでモーターのみの走行も可能な「スターバス ハイブリッド」(左)と、電動コンセプトの「ウルトラ・エレクトリックバス」(右)を公開した(クリックして拡大)
ポーランドのメーカー、ソラリスの車両をインドで販売するJBMグループは、インド初の市販電動路線バスとしてエコライフを出展。停留所に給電設備を設置し、ルーフ上の集電装置で急速充電する仕組みを持つ。ヨーロッパでは既に幾つかの国で運用例のあるシステムだ(クリックして拡大)デリー市の交通局では10年以上も前に、市内を走る全ての路線バスで燃料をディーゼルから圧縮天然ガス(CNG)に置き換えました。今後はインド国内の大都市で、より環境に優しいバスを積極的に導していくことが見込まれています。インドは乗用車市場に関しては新興国かもしれませんが、バスに限って見れば日本をしのぐ環境先進国になる可能性も少なくないといえそうです。
古庄速人(ふるしょうはやと)
工業デザイナーを目指し、専門学校の自動車デザイン学科に入学。修了後はカーデザイン専門誌の編集に携わりながら、フリーランスのライターとしても活動を開始。現在は自動車関連誌や二輪誌、Webメディアなどで記事やコラムを執筆中。技術と感性の双方の視点から、さまざまなトランスポーテーションのデザインをチェックしている。また新しい「乗り物」や新興国のモータリゼーションに強い興味を持ち、世界各国のモーターショーやモーターサイクルショーの視察を続けている。日本カーデザイン大賞の選考委員も務める。
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