高速電力線通信により制御ケーブルを削減できる高性能溶接機FAニュース

ダイヘンは、高速電力線通信「D.connect」を採用した高性能溶接機「ダイナオートXW-500」を発売した。溶接電源とワイヤ送給装置間の制御ケーブルを削減するため、ケーブル断線による作業中断や作業者の負担を低減する。

» 2016年09月14日 07時00分 公開
[MONOist]

 ダイヘンは2016年8月26日、高性能溶接機「ダイナオートXW-500」を発売した。高速電力線通信「D.connect」採用で制御ケーブルを削減するため、造船や橋梁など大形構造物の溶接現場に適している。

 大型構造物の溶接作業現場では、作業者がワイヤ送給装置と溶接トーチを持って移動しなければならず、重労働となっていた。また、従来の制御ケーブルは、1本のケーブル内に複数の信号線が入った多心構造で、1本ずつの線径が細い。そのため、ケーブルが構造物の鋭利な箇所に接触して断線するなどして、溶接作業の中断が発生していた。

 ダイナオートXW-500は、高速電力線通信D.connectの採用により、溶接電源とワイヤ送給装置間の制御ケーブルを削減。ケーブル断線リスクの低減に成功した。送給装置の可搬性も大幅に向上。溶接電源とワイヤ送給装置間の制御ケーブルが50mの場合、ケーブル削減により約25kgの軽量化が可能だという。

 また、従来の溶接機は、離れた場所にある溶接機本体に戻って各種溶接条件を設定する必要があった。同製品は、ワイヤ送給装置に搭載したリモコンで溶接条件の設定が可能だ。

 エンコーダ付ワイヤ送給装置採用で、ワイヤ送給の際、ケーブルの延長や周辺温度に影響されることがない。さらに、溶け込み制御機能により、ワイヤ突き出し長が変化するような作業においても、溶接電流を一定に制御することで安定した溶接ができる。

photo 大型構造物溶接の例
photo ダイナオートXW-500

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