続いて、「光造形(SLA:Stereo Lithography Apparatus)」方式による造形を見ていきましょう(図3)。
今回使用した素材は「エポキシ樹脂」です。図4のように光硬化型樹脂(液状)を注ぎ、上から紫外線などのレーザー光を当てながら、一層ずつ硬化させることで造形していきます。
こちらも積層ピッチは0.15mm程度ですが、素材の関係で段差ははっきりと見て取れます(図5)。ただ、DMM.make 3Dプリントの担当者さんいわく、「磨いて塗装などを施す後処理を考慮した場合、ナイロン素材よりもメリットがある」そうです。
また、比較的大きな形状を3Dプリント(DMM.make 3Dプリントでは最大造形サイズ640×540×740mmまで対応可能)できるという特長もあります。なお、今回のミニ四駆ボディーの造形完了までの所要時間は6時間程度でした。
光造形方式の3Dプリンタはもともと産業用途がメインでしたが、最近ではXYZプリンティングの「ノーベル 1.0」(税込19万4000円)のように個人向けの光造形方式3Dプリンタも販売されています。
続いて、「直接金属レーザーシンタリング(Direct Metal Laser Sintering)」による造形を紹介します(図6)。
図6の素材は「チタン」ですが、「アルミ」を選択することも可能です。造形の仕組みはSLSと原則同じですが、対象が金属のパウダーになります。この方式の場合、パウダーのみでは硬化した後の金属の自重を支えることができないため、サポート材を付加する必要があります。ただ、DMM.make 3Dプリントの担当者さんによるとそのサポート材を剥がすのがかなり大変だとか……。また、素材自体の価格ももちろんですが、専用の加工機と手作業による仕上げが必要になるため、今回のミニ四駆ボディーの出力で3万5000円程度の費用が掛かるそうです。
DMM.make 3Dプリントの直接金属レーザーシンタリングは、金属ならではの質感に加え、後加工の豊富なバリエーション(鏡面加工や陽極酸化処理による変色)が特長です。もちろん後加工なしでも、図7の通り非常に高品質な仕上がりとなっています。
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