小さな子どもの安全をガッチリ守る「安全ロック」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(8)(1/3 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を考察します。連載第8回のお題は、子ども用の「安全ロック」です。

» 2025年02月13日 06時00分 公開

こんな人にオススメの記事です!

100円均一でモノの仕組みを考える
  • モノの仕組みや構造、分解に興味のある方
  • 設計スキルの向上を図りたい方
  • 自社製品の差別化/競争力アップを図りたい方

 本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、照明用アイテムとして普及している「LEDライト」の仕組みを取り上げました。

テーマ8:子ども用の安全ロック

 連載第8回となる今回は、引き出しや扉の開閉防止に使われる子ども用の「安全ロック」を題材に取り上げます。

今回のお題「安全ロック」のイメージ 図1 今回のお題「安全ロック」のイメージ(赤色矢印部分)[クリックで拡大] 出所:iStock/Andrey Zhuravlev

 子ども用の安全ロックは、幼児や小さな子どもがむやみに引き出しなどを開けたり、危険なものに触れたりすることを防ぐための安全装置です。小さなお子さんがいるご家庭ではおなじみかもしれません。

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安全ロックの部品構成

 安全ロックの部品構成はロック機構の種類によって異なりますが、基本的には次のような構成になっています(図2)。

安全ロックの部品構成 図2 安全ロックの部品構成[クリックで拡大]

固定部

 扉や引き出しに取り付ける受け側の部品です。

ブリッジ

 固定部をつなげている部品です。バンド状やL字型の構造で引き出しを開かないように固定します。

ロック機構

 ブリッジが外れないようにロックする機構です。

粘着テープ

 両面テープで固定部を扉や引き出しなどに貼り付けます。一般的に、扉や引き出しへの貼り付けは粘着テープ(両面テープ)を用いるケースが多いですが、ねじ止めするものやマグネットで固定するものもあります。

安全ロックの仕組み

 仕組みとしては、固定部を粘着テープで扉や引き出しなどに固定し、ブリッジとロック機構によって開閉を制限するという非常にシンプルなものになっています。

 ロックを解除する際は、ボタンを押しながら開けます。また、ブリッジに関しては取り付ける場所などによって、硬い素材/柔らかい素材で選べるものもあります。

ロック機構をさらに詳しく見ていく

 今回題材とした製品(図3)のような、ブリッジにロック機構が付いているものの場合は、ロック機構のボタン部分を押すことで樹脂がたわみ、ロックを解除できます。

 なお、ボタン部分を離すと、たわんだ樹脂のバネ性が効いてツメが元の位置に戻ります。そうすることによって、再びロックされた状態になります。

ロック機構の構造
ロック機構の構造。(左)ロックされた状態/(右)ロックが解除された状態 図3 ロック機構の構造。(左)ロックされた状態/(右)ロックが解除された状態[クリックで拡大]
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