東芝メディカルシステムズは、東芝1.5テスラMRIシステム Vantage Titan「cS Edition」の国内販売を開始した。画質のさらなる向上に加え、心臓左室位置決めアシスト機能などにより、心臓検査の操作時間を大幅に削減できる。
東芝メディカルシステムズは2016年3月28日、東芝1.5テスラMRIシステム Vantage Titan「cS Edition(ヴァンテージ タイタン シーエス エディション)」の国内販売を開始した。
Vantage Titanは、広い検査空間と静かな撮像を、画質を劣化させることなく可能にした1.5テスラ大口径MRI装置。広範囲を高画質に撮像することができる。今回発売のcS Editionでは、より高度な検査を効率よく行うための多数の最新技術が搭載された。
まず、フレキシブルなパラメータ変更と多彩なパルス制御ができる「新シーケンス制御機構」の適応範囲の幅を広げた。磁化率強調画像であるFSBB、DWI撮像、FFE3D撮像のそれぞれにおいても、画質のさらなる向上が可能になった。
また、心臓左室位置決めアシスト機能「CardioLine」にSCMR(Society for Cardiovascular Magnetic Resonance)で要求されている右室と弁および流出路などの8断面を加えた「CardioLine+」を搭載。1回の息止め撮像で14断面を取得できるようになった。生体構造の認識技術によって、被検者の心臓位置を装置が自動で把握する「SUREVOI Cardiac」も搭載しており、一般的な心臓MRI検査時間の43%を占める操作時間の割合を9%まで削減する。被検者や術者の負担が軽減するため、これまで「撮像が難しい」「検査時間が長い」といったことが障壁となって、身近でなかった心臓MRI検査を容易にし、ルーチン化に貢献する。
さらに、多様化している新しい臨床ニーズに対応して、多くのアプリケーションを新たに追加した。その1つが、放射線被ばくのないMRIでの肺野検査に適応するUTE(Ultra short TE)だ。UTEは極めて短いT2値の組織を画像化する手法で、従来のMRI検査では描出できなかった情報を得られるという。
その他にも、DWIにて細胞内のPerfusionを描出するIVIM解析、造影検査での造影剤の染み出しを評価するpermeability解析、心臓のCine撮像から心筋ストレインを評価するWall Motion Trackingなどが可能になった。
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