「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」――IoTが目指すその姿を、Raspberry Piと機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」で自作してみましょう。
読者の皆さんは、Internet of Things(IoT)という言葉を聞いたことがあると思います。全てのものをインターネットで接続し、情報交換、処理をすることにより, 今までは、分からなかったことを解析したり、生活に役立てようとするものです。この分野に関する技術や活動は非常に多く発表されています。
今回はこの中のAllSeen Allianceという活動が発表している「AllJoynフレームワーク」に関して、Raspberry Piへの移植ならびにRaspberry Pi&Androidの連携実験を行いましたので、これを皆さんにも体験してもらうため、寄稿しました。
AllJoynとは一言で言うと「家電を中心に、さまざまな機械を接続し、情報交換を行えるようにしたフレームワーク」です。基本的にそれぞれはPeer to Peerで接続されます。
接続される機器は家電が中心ですが、家庭の外と情報交換をするために、ルーターに相当する機能を持っています(「AllJoynフレームワークを使ったインターネット・オブ・エブリシング(IoE)の開発」:Qualcomm 内田伸行氏)。これにより、家庭内の家電制御だけでなく、外部からの制御、情報交換を安全に行うことができます。
これらのソースコードはオープンソースとして公開されており、誰でも使用できます。このフレームワーク上に、実際の業務機能を実行するクライアント(アプリケーション)を用意します。
AllSeen AllianceはAllJoynを開発・普及するために、関心を持つ企業が集まって活動している団体です。参加している企業はQuallcomを中心として、日米の家電、OA関係の企業、OSベンダーです。
こう書くと企業中心の活動と見られがちですが、草の根活動も大事にしています。具体的には、日本のオープンソースカンファレンスで活動を紹介したり、さまざまな組み込み用ボードに移植したりしています。
今回、紹介するRaspberry Piへの移植もその一環ですが、それ以外のボード(MinnowBoardやEdison、Arduino)への移植を行って、個人が手軽に実験できるようにしたり、ミートアップを開催して、技術情報の交換ができるようにしています。
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