重度の大動脈弁狭窄症向けの自己拡張型経カテーテル大動脈生体弁を発売医療機器ニュース

日本メドトロニックは、重度の大動脈弁狭窄症で、外科的治療が困難な患者の治療に向けた自己拡張型経カテーテル大動脈生体弁「コアバルブ」を発売した。

» 2016年02月03日 08時00分 公開
[MONOist]

 日本メドトロニックは2016年1月15日、自己拡張型経カテーテル大動脈生体弁「コアバルブ」を発売したと発表した。重度の大動脈弁狭窄症で、外科的治療が困難な患者の治療に対応するという。

 経カテーテル大動脈弁置換術は、TAVR(Transcatheter Aortic Valve Replacement)/TAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation)と呼ばれ、胸を開かずにカテーテルを使って人工弁を心臓に留置する治療法。高齢や合併症で、外科的治療が困難な大動脈弁狭窄症などの心臓弁膜症患者に対する、新しい治療法として期待されている。

 今回発売されたコアバルブは、自己拡張型のフレームが患者ごとに異なる大動脈弁輪の形状に合わせて適切に留置される。これにより、大動脈弁輪への過度な負担を軽減し、術後弁周囲逆流の低減が期待されるという。また、同製品を病変部まで送達するデリバリーシステムは直径18Fr(6mm)のため、血管損傷などの合併症発生リスクを低減できる。

 特に日本人は、欧米人より体格が小さく、解剖学的に大動脈基部が小さい人が多い。また、末梢血管の石灰化も強く、血管が屈曲している症例も多いため、自己拡張型デバイスと細いデリバリーシステムは、こうした症例に対し、より適切な治療ができるという。

 さらに、大腿・腸骨動脈/鎖骨下動脈/直接大動脈からカテーテルを挿入する3つのアプローチが可能になるため、患者ごとに最適なアプローチを選択できる。アプローチの選択後は、デリバリーシステムを用いて病変部までコアバルブを運び、システム先端のカプセルに装填された生体弁を展開して留置する。留置されたコアバルブの弁は、患者自身の大動脈弁よりも高い位置で機能するため、より広い弁口面積を確保し、スムーズな血流を再現して、血行動態の改善を図るとしている。

photo
photo
photo

関連キーワード

治療 | 病気 | 医療機器ニュース


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.