CESを主催するCTAのCEOを務めるゲイリー・シャピロ氏が乗って登場したのは、「近い将来」に位置付けられる「e-ゴルフ タッチ」だ。最大のポイントは、前回のCESで発表された「ゴルフR タッチ」の車載情報機器の進化版が搭載されていることだ。排気ガス不正問題を受けて、ベース車がパワフルなガソリン車の「R」から電気自動車(EV)の「e」となったことにも注目だ。
e-ゴルフ タッチに搭載される車載情報機器のHMI(Human Machine Interface)は、操作のためのボタンやスイッチはなく、9.2インチサイズのタッチパネルによって直感的に使えることを意識して開発されている。Apple(アップル)の「CarPlay」、Google(グーグル)の「Android Autos」、MirrorLinkなどによってスマートフォンと連携できることに加えて、スマートウオッチと連携するためのアプリも用意される。スマートフォンの充電には、前回も使用していたUSB Type-Cコネクタの他、ワイヤレス給電にも対応する。デモンストレーションでは、「ハロー、フォルクスワーゲン」と呼びかけて立ち上げつつ、「家にナビゲートして」といったコマンドで目的地を設定したり、目的地周辺の画像を表示したりなど、スマートフォン風の使い方ができることを示した。
さらに、クルマが“つながる”ことにより、さまざまなソリューションが提供できる。例えば、駐車場で自車を見失ったときの駐車位置の表示や、子どもが親のクルマで無謀な運転をしていないかの確認など、クルマが今どうなっているかをスマートフォンやタブレット端末で遠隔で知ることができる。これらの技術に関しては、次回の2017年のCESで展開する予定だ。
こういった取り組みについて、フォルクスワーゲン 電子・電装開発部門の専務を務めるフォルクマル・タネンベルガー氏は「スマートで、安全で、楽しめる車輪の付いたスマートフォン(Smartphone on the wheels)」と説明する。
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