製造業で活用への注目が集まるIoT。しかし具体的な成果を生み出すために、どういった取り組みを計画すべきなのか戸惑う企業が多いはずだ。こうした製造業のIoT活用のポイントを解説していく本連載の第3回では、生産革新領域へのIoT活用のポイントについて解説する。
製造業のIoT(Internet of Things)活用のポイントを解説していく本連載。第1回の「製造業のIoT活用、他社に“差”をつける考え方」、第2回の「モノよりもうかる? サービス領域に対するIoT活用の考え方」に引き続き、最後となる今回は「生産革新領域」におけるIoT活用のポイントについて解説していく。
生産革新領域は、顧客や調達先とつながるバリューチェーン全体で、部材・製品、工程、品質などの情報を可視化し共有することで、生産能力の最大活用、設備効率向上、品質のトレーサビリティ確保を目指す領域である。
まず生産革新領域でのIoT活用の方向性を、活用範囲の広がりを軸に、どのレベルの「つながり」を目指すのかに着目してステージ分類したものを図1に示す。
ドイツの国家プロジェクトとして進められているインダストリー4.0も、ステージ3、ステージ4を目指した取り組みといえる。日本企業においても経営層が求める製造現場へのIoT活用推進の目的も、こうした高いステージの実現にあるのではないだろうか。
しかしながら、各ステージのコンセプトは理解できるものの、その実現に向けてはハードルが大きいと感じられている現場担当者も多いと思われる。
日本製造業におけるIoT活用の実態としては、ステージ1の「工場単体でのIoTの活用」は、既に事例として多く見られるものの、1つの工場内からIoTによって得た情報を取り出して、工場間や企業内、さらには企業間で活用するといった、より上位の活用ステージに行くには大きな課題が横たわっていると考えている。
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