MONOistの読者の皆さんの中にも、コマ大戦に挑戦してみたいという方は結構いらっしゃるのではないかと思います。そして、どうせ出場するなら、「勝ちたい!」と思いますよね? SWCNのような機構が凝ったコマや、コマ世界大戦で優勝したような大胆なコマを作ってみたいという方もいるかもしれません。
そんなあなたに「勝てる(かもしれない)コマ設計」のヒントを信州コマ倶楽部が伝授します。
今回は、コマ倶楽部メンバーから、現在TRIZコンサルタントとして活動しているアイデアの片桐朝彦さん、品質工学のプロであるタカノの中原健司さんにご協力いただけることになりました。
片桐さんはもともとコガネイで働いていました。コガネイは第1回からの参加者。参加者が町工場中心だった中、設計で勝負したチームとして注目を集めていました。その後、2回の優勝を飾りました。社内の若手技術者育成の一環として、TRIZを使ったコマの開発を推進するとともに、コガネイチームのコマ大戦への参戦をバックアップしてきたとのことです(関連記事:コガネイは、TRIZを使って本気でコマ設計していた)。
「『TRIZ』(発明的問題解決理論)」は冷戦時代のソ連で生まれた、発明的な問題を解決するためのツールやプロセスを体系化したものです。その中には、世界の250万件に及ぶ膨大な特許を分析した結果得られた先人たちの知見、発想方法、分析方法、思考方法などが凝縮、体系化されています。技術者の抱える日常的な問題解決はもちろんですが、
このような難題に直面した時にこそTRIZはその真価を発揮します。“May the TRIZ be with you!”(TRIZとともにあらんことを!)」(片桐さん)。
中原さんも所属するメーカー タカノで出場して4回優勝した経験もあります! 優勝した2015年11月の郡上場所で持ち込んだコマは、「完全地産お土産プロジェクト」とコラボして、「プチトマトのコマ」として製品化されました(関連記事:中小製造業の生き残り戦略とインターネット――中村智彦教授、語る)。
長野県はトマトの栽培地としても知られています。タカノは明治大学と共同でトマトの水耕栽培の研究に取り組んでいるそうです。プチトマトコマは企業PRやノベルティとしても活用しているとのことです。
「タグチメソッドはさまざまな制御因子の組み合せ中から最適な組合せを短時間で見付け出せます。またシミュレーションと組み合せることで、試作費等を大幅削減できます」(中原さん)。
こんな2人のお力をお借りすれば、勝てないはずがありません!?
そういうわけで、第1回が始まるまでに宿題です! 年末年始のお休みで挑戦してみてくださいね。……あ、お休みがない方も、仕事の合間の息抜きがてらで、ぜひ。
宿題:コマ大戦のレギュレーションに沿ったコマのアイデアをいくつか考えてみてください。
これだけです!
お役に立てるか分かりませんが、MONOist 編集部の小林が作成したレギュレーションに沿ったコマのデータ(STL)をご紹介します。皆さんのコマ設計にお役立てください。
「これ役に立つか?」「自分で作った方が早い?」……そうですか……。
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