インダストリー4.0実現に向け、CC-Link IEとPROFINETの相互接続技術開発へ産業用ネットワーク(2/2 ページ)

» 2015年12月02日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]
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「他のネットワーク規格との協業もあり得る」

―― いつから進んだのか。

CLPA 以前から定期的な情報交換をCLPA、PI間で行ってきたが、ちょうど1年前の定例会で、相互接続の話が出て進んだ。

―― それぞれの規格そのものを統合する可能性はあったのか。

PI この話が進んだ前提としてそれぞれの現在のネットワークの環境は守るということがある。それぞれの顧客がネットワークを利用して生産ラインや機器を構築しているからだ。これを前提として相互接続ができないかということを検討してきた。それぞれの規格を統一する話は1度も出ていない。

―― 「顧客の利点を考えて共同開発をする」ということだが、他の産業用ネットワークと協力する可能性もあるのか。

CLPA 今回の共同開発は、排他的なものではないので、他の産業用ネットワークとの協業の可能性についてはゼロではない。ただ、当面は1年間でまずPROFINETとCC-Link IEの相互接続技術仕様書を作ることに優先して取り組む。その後で市場の反応を見て、他の規格との連携も考えていきたい。

―― 「インダストリー4.0の動きなどを意識した」ということだが、インダストリー4.0で推奨されているOPC−UAとの関係性をどう考えるか。

CLPA CLPAとしてはOPC協議会と正式な接触はないが、上位システムとの連携に対するネットワークとしてトレンドになりつつあるので、今後の動向をしっかり見ていく。協力などについても検討していく。

PI OPC−UAとPROFINETは利用される領域が違うので、それぞれ個別で動いていく。補完的なテクノロジーだと考えている。

最初のステップはシンプルなI/Oから

―― ゲートウェイの実装はハードウェアになるのか。

CLPA 今回共同開発するのはネットワークの相互接続性に関する技術仕様書だ。今後サードパーティーのベンダーにより実際の機器の開発が始まる。ハードウェアも当然あるかもしれないし、コントローラーの中に組み込むというようなこともあり得る。

―― 仕様の範囲はどういう領域なのか。

CLPA 基本的には一般的なI/O通信や稼働状態の取得、生産モニタリングなどの範囲だ。CC-Link IEでいえば「シームレスメッセージプロトコル」と規定されされている範囲内、PROFINETでいえば「アサイクリック通信」とされる範囲だ。

―― 相互接続性の認証についてはどうするのか。

CLPA 認証については協議中だが、テスト仕様書を作りどちらかでテストすれば相互接続性が保証されるような仕組みを作りたい。

―― 開発費用は誰が負担する仕組みとなるのか。

CLPA 最終的にはユーザーに負担してもらう形になる。ただ従来は個々にゲートウェイを開発していたという状況もあったので、それらの開発コストを抑えられるという利点は提供できるだろう。

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