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» 2015年11月12日 08時00分 公開

「イノベーションプラットフォームに育て上げる」――SOLIDWORKSの将来展望SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2015(2/2 ページ)

[八木沢篤,MONOist]
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設計者を支援するテクノロジー

 また、バッシ氏はさらに先の展開として、次期バージョン以降のSOLIDWORKSに搭載予定の最新技術として「オプティマイゼーション」と、「プレディクティブコンピューティング」についても紹介した。

設計の新しいパラダイムへ 次期バージョン以降のSOLIDWORKSに搭載予定の最新技術「オプティマイゼーション」と「プレディクティブコンピューティング」について ※画像クリックで拡大表示

 オプティマイゼーションとは、解析技術をベースとした新たな設計アプローチで、「モノの形状をコンピュータが提示するものだ」(バッシ氏)という。従来のように設計者が形状を定義し、それを基に設計・解析を進めていくのではなく、オプティマイゼーションでは最初にラフな形状、拘束条件、荷重などをパラメータとしてコンピュータ側に与えてあげることで、最適な形状を導き出して設計者にフィードバックしてくれる。

 「3Dプリンタの台頭により、こうした設計アプローチが見直されるようになってきた。従来の製造設備では、オプティマイゼーションで提示されるような形状は作りづらかった。しかし、3Dプリンタであれば複雑な形状でも造形できる。部品の軽量化が求められる航空機産業などでは重要なアプローチになるだろう」(バッシ氏)。

 もう1つのプレディクティブコンピューティングとは、設計業務にかかわるあらゆる情報を予測して設計者に提示してくれる技術。バッシ氏は「Google検索を行う際、文字を入力している途中で、最適な検索キーワードを予測して提案してくれる。プレディクティブコンピューティングは、社内に似たような設計資産がないか形状検索して見つけ出したり、外部で安く設計してくれる企業がないか探したりなど、設計者が求める情報を事前に提案してくれる仕組みだ」と説明する。

 実は、プレディクティブコンピューティングに関してはダッソー・システムズの「EXALEAD」で既に実現可能な技術だという。「今後、この機能がSOLIDWORKSのイノベーションプラットフォームの中に組み込まれる予定だ」とバッシ氏は紹介した。

「オプティマイゼーション」の詳細について語るバッシ氏 「オプティマイゼーション」の詳細について語るバッシ氏

 「CADというのは“Computer Aided Design”の略称だが、これまでのCADの『Aided』というのは、『支援する』といっても恐らく小文字の「a(小さな支援)」くらいのものでしかなかった。われわれは、これを大文字の「A(大きな支援)」にしたいと考えている。すなわち、カット&ペーストのような操作を助ける小さな支援ではなく、パフォーマンスの面、機能の面で、設計の目的を達成するための大きな支援を可能にしたい」(バッシ氏)。

MySolidWorks 日本語版の提供開始

 さらに、「イノベーションプラットフォームを実現する上では、オンラインサービスの展開も不可欠だ」とバッシ氏は述べる。イノベーションというのは、1人のたった1つのアイデアで生み出せるものではなく、そこから議論を経て、何度も見直しが行われて、多くの人々とコラボレーションしながら生み出されるものだ。そうした場として、2014年に米国で開始されたのが、SOLIDWORKSユーザー向けオンライン情報サービス「MySolidWorks」だ。MySolidWorksでは、アイデアや部品の共有、コンテンツの閲覧、オンライントレーニングの受講などさまざまな機能が提供されており、既に285万5000人以上のユーザーがいるという。今回、SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2015の開催に併せ、MySolidWorks 日本語版の提供開始が正式にアナウンスされた。

「MySolidWorks 日本語版」の提供開始 「MySolidWorks 日本語版」の提供開始 ※画像クリックで拡大表示


 SOLIDWORKSをイノベーションプラットフォームに発展させていくため、さまざまな製品・サービスを展開する同社。こうした取り組みを通じ、SOLIDWORKSとユーザーとの距離、ユーザーとユーザー顧客との距離を縮めていき、製品開発をよりシンプルなものにし、価値創造や製品の市場投入を支援していきたい考えだ。

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