「SOLIDWORKS 2016」はユーザーの声に応え、CADの基本機能がさらに使いやすくSOLIDWORKS World 2015(1/2 ページ)

米ソリッドワークスは、年次プライベートイベント「SOLIDWORKS World 2015」を米国アリゾナ州フェニックスで開催。最終日の基調講演で、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の次期バージョン「SOLIDWORKS 2016」に搭載予定の新機能の一部を明らかにした。恒例の新機能紹介の寸劇・映像にも注目してほしい。

» 2015年02月12日 16時29分 公開
[八木沢篤MONOist]

 米ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(以下、ソリッドワークス)は2015年2月8〜11日の4日間、年次プライベートイベント「SOLIDWORKS World 2015」を米国アリゾナ州フェニックスで開催した(関連記事:SOLIDWORKSユーザーの祭典開幕! 米国アリゾナ州フェニックスで)。最終日の基調講演では、次期バージョンとなる「SOLIDWORKS 2016」に搭載予定の新機能の一部が明かされた。

 まず、今回のSOLIDWORKS World 2015では、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」ブランドの最高経営責任者(CEO)の座を、ベルトラン・シコ(Bertrand Sicot)氏から引き継いだジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏に注目が集まった(関連記事:「SOLIDWORKS」ブランド新CEOにジャン・パオロ・バッシ氏が就任)。

 また、仏ダッソー・システムズが提供するコラボレーション開発基盤「3DEXPERIENCE platform」に対応する新たなSOLIDWORKSのアプリケーションとして、工業デザインの構想設計を支援する「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」が発表された(関連記事:デザインの意思決定が迅速化される「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」)。

 SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGNは、設備機械向けの構想設計ツール「SOLIDWORKS CONCEPTUAL DESIGN(旧:SOLIDWORKS Mechanical Conceptual)」に続く、3DEXPERIENCE platform対応のアプリケーションである。工業デザインをスムーズに行える直感的な操作・機能に加え、ソーシャルコラボレーションにより、チームやプロジェクトメンバーとデータを共有したり、イメージやドキュメントの追加を行ったりなどが行える。また、ブランチを作ってデザインを並行で進めて、後からマージするといった利用も可能だ。

SOLIDWORKS 2016の新機能

 こうした新機能の発表に加え、最終日の基調講演では、次期バージョンであるSOLIDWORKS 2016で追加予定の新しい機能が多数紹介された。以下でその一部を紹介しよう。

 まず、内側の連続した(サーフェスの)線をスケッチ線にエンティティ変換する機能が搭載される予定だ。この機能が実現されることで個別にループ選択する必要がなくなり作業効率が大幅に向上するという。

Convert Entities – Internal Loops 「Convert Entities – Internal Loops」。内側の連続した(サーフェスの)線を(スケッチ線に)エンティティ変換できる

 また、C2エッジフィレットが加わる。エッジフィレットなので完全に同じ半径でなくても非対称でフィレットが入れられるという。

C2 Edge Blend 「C2 Edge Blend」同じ半径でなくても非対称でフィレットが入れられる

 さらに、ユーザーからの要望が特に多かった双方向スイープが実現される。

Sweep Bi-Direction 「Sweep Bi-Direction」

 加えて、サーフェス展開の強化もなされる。この機能はSOLIDWORKS 2015から加わったものだが、単に分割ラインを無理やり展開するのではなく、分割ラインに合わせて展開の仕方が変えられるようになる。

Flatten Surface Enhancements 「Flatten Surface Enhancements」

 SOLIDWORKS 2016では、製品情報管理ツール「SOLIDWORKS PDM Standard」が、SOLIDWORKSの最小構成のCADにそのままバンドルされて使うことができる。

SOLIDWORKS PDM Standard 「SOLIDWORKS PDM Standard」

 レンダリングツール「PhotoView 360」を利用する際、従来は照明や背景のシーンを何度も切り替えながら決定しなければならなかったが、SOLIDWORKS 2016ではいくつかのパターンを一覧で表示ができるため、何度もやり直す手間が大幅に軽減され、簡単に比較検討ができるようになる。

Scene Illumination Proof Sheets PhotoView 360 「Scene Illumination Proof Sheets PhotoView 360」

 また、ユーザーインタフェースの変更もなされるという。SOLIDWORKS 2016からは、3DEXPERIENCE platformと連携する他のアプリケーションのインタフェースにより近づけて、デザインの統一感を図る。これまでは黄色や緑色が中心のアイコンだったが、青色と灰色を中心としたアイコンセットになる。

Modern Look 「Modern Look」
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