日本精工(NSK)とサイフューズは、再生医療や次世代ヘルスケア業界に向けた3D細胞製品の普及と商業生産の実現を目的に、新型バイオ3Dプリンタを共同開発した。NSKの精密位置決め技術とサイフューズのバイオ3Dプリンティング技術の融合により実現した。
日本精工(以下、NSK)とサイフューズは2026年3月17日、再生医療や次世代ヘルスケア業界向け3D細胞製品の普及と商業生産の実現に向け、新型バイオ3Dプリンタを共同開発したと発表した。
NSKは、新型バイオ3Dプリンタを用いて作製した3D細胞製品の評価や、デバイスの販売/展開を主導するサイフューズと連携し、再生医療領域での市場投入を目指す。対象は、サイフューズが製品開発を進める再生医療等製品や、機能性食品/化粧品など次世代ヘルスケア分野向けの3D細胞製品としている。
新型バイオ3Dプリンタは、サイフューズのバイオ3Dプリンタ「S-PIKE」の設計思想を継承しつつ、商業生産に不可欠な製品のスケールアップや製造工程のコンパクト化/自動化において技術的進化を遂げたとしている。
具体的には、NSKのコアテクノロジーにより、より高精度な制御が可能となった。これにより、従来のS-PIKEの強みであるデザインの自由度を維持したまま、より大きく複雑な立体組織の作製にも対応できるようになった。
細胞塊の分注から積層までの個別工程を一連の製造工程として安全キャビネット内に集約し、自動化することに成功した。集約に当たり重要な役割を果たしたのが、新型バイオ3Dプリンタに搭載されているNSK独自の「低発塵/除染対応アクチュエータ」である。
同アクチュエータは、密封カバーなどの付帯機構を追加することなく、省スペースでありながら微粒子の発生や感染リスクを抑制できる点が特長だ。これにより、省スペースでの安定生産を可能にし、将来的な製造コスト低減や人手不足解消への貢献が見込まれるとしている。
再生医療業界では、2030年に関連市場が約83億米ドルに達すると予測される中、高品質な細胞製品を安定して大量生産できるデバイスの確保が課題となっていた。両社は2022年から3D細胞製品の製造工程における機械化および自動化を目指して協創を開始し、2024年には実用化に向けた新技術の開発に成功している。
今回の新型バイオ3Dプリンタは、サイフューズ独自のバイオ3Dプリンティング技術と、NSKが産業機械向け事業で長年培ってきた精密位置決めを特長とするコアテクノロジーを融合した成果といえる。
なお、2026年3月19〜20日に開催される「第25回日本再生医療学会総会」で、新型バイオ3Dプリンタを紹介するという。同学会などの機会を通じて顧客ニーズを収集し、実用化/市場投入に向けた取り組みをさらに加速させる考えだ。
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