スーパーフォーミュラにタイヤ供給する横浜ゴム、「サイドフィンタイヤ」も展示:東京モーターショー2015
横浜ゴムは、長年ブリヂストンがタイヤ供給を担当していた全日本スーパーフォーミュラ選手権に、2016年からワンメイク供給を行うと発表した。
横浜ゴムは2015年10月29日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)のプレスブリーフィングにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズのコントロールタイヤとして同社「ADVAN」ブランドのワンメイク供給を行うと発表した。
「ADVAN A005」が装着されたモデル車両(クリックで拡大)
供給するタイヤは、オレンジオイル配合技術でグリップ性能を維持しながら環境性能を高めた「ADVAN A005」とウェットコンディション用の「ADAVAN A006」だ。タイヤサイズはフロント用が250/629R13、リア用が360/620R13。
全日本スーパーフォーミュラ選手権の前身であるフォーミュラ・ニッポンから、タイヤの供給は長年ブリヂストンが担当していた。横浜ゴムはおよそ20年ぶりに国内トップフォーミュラへ復帰を果たしたことになる。
横浜ゴムの展示ブースでは、最新技術を使用した「サイドフィンタイヤ」も参考出展された。車両全体の空気の流れを制御すべく、タイヤ外側に「フィン」を配置したのが特徴で、車両の空気抵抗低減に加え、車両のリフト(浮き上がり)抑制にも貢献する。(関連記事:横浜ゴムの空気抵抗を減らすフィン付きタイヤが進化、浮き上がり防止機能も)
参考出品された「サイドフィンタイヤ」(左)。外側にV字のフィンが付いていることが特長(右)(クリックで拡大)
この他、英国のプロサッカークラブ「チェルシーFC」とのパートナーシップ契約を記念した「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」も展示された。同社製品の「BluEarth-A」をベースに開発され、タイヤのサイドデザインにチェルシーFCのロゴを採用している。
「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」とチェルシーフットボールクラブ マネージングディレクターのクリスチャン・パースロー氏(左)と横浜ゴム代表取締役社長の野地彦旬氏(右)(クリックで拡大)
- 横浜ゴムの空気抵抗を減らすフィン付きタイヤが進化、浮き上がり防止機能も
横浜ゴムは、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールするエアロダイナミクス技術利用した「新形状エアロダイナミクスタイヤ」を「東京モーターショー2015」で参考出品する。空気抵抗を減らす「フィンタイヤ」の進化版で、車両の浮き上がりも抑制できるという。
- フィン付きタイヤで空気抵抗を低減、エアロパーツ並みの効果を確認
横浜ゴムは、装着時に車両の内部側になる側面にフィン状の突起を配置したタイヤ「フィンタイヤ」によって、走行時の車両全体の空気抵抗を低減できることを確認した。CD値(空気抵抗係数)の低減効果は0.005〜0.01程度で、スポイラーやウィングなどのエアロパーツと同等以上である。
- タイヤの転がり抵抗を測る日本唯一の“原器”は小平市にあった
東京都小平市にあるブリヂストンの中核研究開発拠点「技術センター」には、新たなタイヤを開発するためのさまざまな試験装置が設置されている。同社が報道陣に公開した、タイヤの転がり抵抗を計測する日本唯一の“原器”と呼べるような標準試験機や、時速400kmで走行中のタイヤの接地面を計測できる「アルティメットアイ」などについて紹介しよう。
- タイヤ原料のブタジエンをセルロースから直接合成、2020年代前半に実用化
横浜ゴムは、東京工業大学との共同研究により、バイオマスであるセルロースから、タイヤの原料となるブタジエンを直接合成する触媒の開発に成功した。2020年代前半を目標に実用化を目指す。
- ブリヂストンと住友ゴムが注目する天然ゴム資源「ロシアタンポポ」
タイヤの主原料である天然ゴムは「パラゴムノキ」から産出されている。パラゴムノキが熱帯で生育することもあって天然ゴムの生産地は東南アジアに集中しているが、このことはタイヤ産業にとっては大きなリスクになっている。そこで、パラゴムノキに替わる天然ゴム資源として注目されているのが「ロシアタンポポ」である。
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