生体皮膚下3mmの血管を非侵襲で画像化できる光超音波顕微鏡を開発医療機器ニュース

アドバンテストは、生体皮膚下3mmの血管を非侵襲で画像化できる光超音波顕微鏡「Hadatomo」を開発した。独自に開発したセンサーや電気回路により、皮膚への最大許容露光量を超えずに高速で測定できる。

» 2015年10月21日 08時00分 公開
[MONOist]

 アドバンテストは2015年10月1日、生体皮膚下3mmの血管を非侵襲で画像化できる、光超音波顕微鏡「Hadatomo」を開発したと発表した。

 皮膚の移植や再生医療では、移植部位の血行の回復が重要とされる。しかし、現在の超音波診断装置(エコー)や顕微鏡などの光学イメージングでは、皮膚下の血管や深部のイメージングが難しく、治療によって血行が回復しても、その効果を非侵襲に評価することは困難だった。

 今回開発された光超音波顕微鏡は、超音波の伝搬特性と光の吸収特性を併せ持つ、光超音波イメージングを用いている。生体内のヘモグロビンは、光のエネルギーを選択的に吸収して超音波を発生する。この超音波を超音波センサーによって生体表面で受信することで、高コントラストな血管像を取得可能にした。測定データは、専用ソフトウェアの独自アルゴリズムによって画像化され、準リアルタイムで2次元、3次元画像を構築するという。

 さらに、同社が独自に開発したセンサーや電気回路により、皮膚への最大許容露光量を超えずに高速で測定できる。測定範囲は4×4×深さ3mmで、スキャン速度は最速20秒。サイズは幅約540×奥行き約545×高さ約1546mm、重量は110kg以下となっている。

 測定時は、対象物に超音波ゼリーを塗布するだけで測定が可能。また、フレキシブルアームにより、測定対象のさまざまな部位を簡単に測定できる。

 同社では今後、形成外科・皮膚科などの研究者と協力し、さまざまなモデルでの評価を行い、2015年10月以降にまずは日本で発売する予定だ。

photo 光超音波顕微鏡「Hadatomo」

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