観測の目的をよく考えて、相対誤差(精度)を決めます。相対誤差とは、発生比率に対する誤差(絶対誤差)の割合をいいます。例えば、ある項目の発生比率20%に対して誤差2%であれば、その相対誤差は10%となります。
調査しようとする項目の期待し得る発生比率が、どの程度の信頼度であれば十分であるのかを観測目的、精度などを考えて決定します。一般的には、95%の信頼度があれば十分だとされています。
信頼度、精度の両面より、次の計算式を用いて総観測数(サンプル数)を決めます。
信頼度95%のときの発生比率と観測数の関係は、「表2 サンプルの大きさ」の通りです。今までの説明からも分かる通り、観測数は目的によって異なりますが、概略の基準は「表3 目的別のサンプルの大きさ概略基準」を参考にして決める場合もあります。
まず、観測対象として決めたものの全容が把握できるだけの観測期間を決定します。次に観測期間から一日の観測回数を求め、さらに次の式によって日当たりの巡回回数を決定します。
日当たり巡回回数=(1日の観測数)÷(観測対象となる作業者数 or 設備台数)
巡回の経路を数通り決め1回の巡回に要する時間を考え、観測に当たる人数を決めます。同時に何人もの観測員が分担して観測する場合には、観測員相互の意志統一を図るためにあらかじめ打ち合わせをしておくことも重要です。
観測時刻は、ランダム性(無作為性)を保って決定しなければなりません。ランダム性がないと、観測結果に偏りが生じてしまいます。まず1回の巡回に要する時間を参考に、基になるランダム時刻表を作成します。観測時間の間隔は15分以上空けることが望ましいとされています。実際の観測期間中の日々の観測時刻は乱数表などを用いてランダム時刻表から無作為に選び出し、1日の観測時刻を決定する方法が一般的です。
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