ワークサンプリング法を有効に機能させるためには、まず調査の目的をシッカリと定めて、測定しようとする事柄の内容を決めることが必要です。例えば「機械の稼働率を調べるのか」「作業者の行動内容を調べるのか」といったことです。漠然とした考えのままで測定したために、後でやり直した例を多く見かけます。重要なポイントは以下の3つとなります。
まず、調査(観測)対象となる職場の責任者に、調査の目的をよく説明して協力が得られるようにあらかじめ依頼しておく必要があります。
観測対象が作業者の場合は、対象職場を代表する標準作業者(一定の習熟期間を経て、決められた正しい方法でその仕事をなしとげる能力を持った作業者)を対象にして行うことが望ましく、また、対象者数は、観測者1人当たり20人程度が良いとされています。
観測対象は、作業場があまり広範囲に散らばらないように選ぶことも必要です。また、できるだけ類似の作業を観測対象に決めた方が観測しやすいなどのメリットがあります。
発生比率の予測を行うために、手始めとして1〜2日くらいの間で、任意の回数だけ作業を抽出して予備調査を行って、その作業全体を理解すると共に、発生項目や発生比率を大まかにつかんでおきます。また、予備調査の結果に基づいて、発生すると予想される作業をどの程度の細かさに区切るかなどを決めます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.