矢野経済研究所は、「次世代ものづくりソフトウェア世界市場に関する調査結果 2015」を発表した。2014年の次世代モノづくりソフトウェアの世界市場規模は181億8000万米ドルと推計した。
矢野経済研究所は2015年7月13日、「次世代ものづくりソフトウェア世界市場に関する調査結果 2015」を発表した。製造業向けソフトウェアを提供する大手ベンダーなどを対象としたもので、調査期間は2014年12月〜2015年6月となっている。
同調査では、IoTを活用した製造業におけるソフトウェアを次世代モノづくりソフトウェアとして、その世界市場規模を試算。同市場規模は、製造業が一般的に活用していたPLM(Product Lifecycle Management)、MOM/MES(Manufacturing Operations Management/Manufacturing Execution System)、SLM(Service Lifecycle Management)に、IoT基盤を加えたものと定義した。
調査の結果、2014年の次世代モノづくりソフトウェアの世界市場規模は181億8000万米ドルと推計した。2014〜2018年の年平均成長率(CAGR)は11.9%で推移し、2018年は285億1000万米ドルを予測。この内、IoT基盤市場規模は同CAGR 46.7%で推移し、2018年には50億米ドルになると予測している。
また、今後注意すべき動向として、現存する工場・製品と全く同じものをバーチャルに再現する「デジタルツイン(電子的な双子)」を指摘している。次世代モノづくりでは、現存する工場・製品のデータをIoT技術で取得・収集・蓄積し、それをデジタルツインとひもづけることで、コンピュータ上でのシミュレーション精度が向上するという。
さらに、IoTの活用で工場・製品から発信されるデータ量は今後も増加するため、企業は全体最適を可能にする企業情報システムの構築が必要になるという。日本の製造業では、自動化の取り組みは高いレベルにあるものの、生産現場の情報システムは分断されていることが多い。特に生産実行系とエンジニアリング系では、MOM/MESの導入などにより、データ連携・統合を進めていくことが重要になるとしている。
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