続いて、日尾氏は海外動向などを踏まえて、これからの3Dスキャナのトレンドについて紹介。
「直近では、ハンディ型の3Dスキャナの伸びが顕著だったが、2015年以降は、『ロボット化(=オートメーション化)』が進んでいくものと考えられる」(日尾氏)。また、モノの形状をスキャンする機能だけでなく、他の機能も付加する「複合機化」も進むという。その他にも「IoT」や「ビッグデータ活用」が進んでいくのではないかと日尾氏は予測する。
同講演では、その中からロボット化と複合機化についての最新事例を披露。「ここ最近の展示会などで特に目立っているのがロボット化だ。ロボットアームに3Dスキャナ固定して自動計測できる装置の開発などが進んでいる」(日尾氏)。従来のハンディ型の3Dスキャナだと人間が手に持って、形状を取得できているかディスプレイなどで確認しながらスキャン作業を進めていく必要があったが、ロボット化されることで取得状況の判断も含めて全自動で行ってくれるのだという。
一方の複合機化では、プロジェクションマッピング機能を搭載した高精度3Dスキャナ「stereoSCAN neo」(AICON 3Dsystems製)について紹介。実際にモノをスキャンした形状データと、設計に利用した3次元CADデータとを比較し、その結果をモノの表面に投影(カラーマップ出力)することができるというもの。「設計データ(3次元CADデータ)とのズレやゆがみなどを可視化して見ることができるので、いろいろな活用が見込めるのではないだろうか。個人的に非常に興味のある装置の1つだ」(日尾氏)。
講演の後半では、データ・デザインが取り扱う非接触ハンディ型3Dスキャナ製品(Artec Eva/Spider)や活用事例などを紹介。さらに、3Dスキャンの実演デモも披露した。
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