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» 2015年07月15日 08時00分 公開

世界1位の工作機械メーカーが目指すインダストリー4.0DMG森精機 社長が語る(2/3 ページ)

[陰山遼将,MONOist]

“つながる化”と“見える化”を支援

 DMG森精機ではインダストリー4.0やIoTへの対応として、同社の工作機械に関してさまざまな取り組みを進めているという。その1つが同社独自のオペレーティングシステム「CELOS」の提供だ。CELOSは21.5インチのマルチタッチ式モニターを搭載しており、工作機械の加工工程や機械データなどの管理の見える化を可能にしている(関連記事)。

 ネットワークを通じて加工現場と管理部門を直接つなぐことができ、さらにPPS(生産計画システム)やERP(企業資源計画)システム、CAD/CAMシステムとの連携も行える。インダストリー4.0の実現においてポイントとなる“つながる化”を支援するシステムだ。

 こうした“つながる化”と同時に工作機械の稼働情報を“見える化”する技術にも注力している。ここで鍵を握るのがセンシング技術だ。2010年にDMG森精機はソニーの子会社であるソニーマニュファクチュアリングシステムズから計測機器事業を買収し、マグネスケールを設立した。森氏が「なぜソニーが売ってくれたのか、今でも不思議に思うほど高い技術力を持っている」と語るマグネスケールのセンシング技術を活用し、顧客に工作機械の稼働情報を取得できるシステムを「MNNS(Mori Neural Network System)」として提供している。

 実際にはセンシング技術で取得したデータを、どう活用するかが重要になる。ここで森氏が課題として挙げたのが、計測系データと加工系データ3次元をどうつなぐかという点だ。「工学的にはこの2つのデータを分けないと精度の保証ができなくなる。しかしデータをやりとりする際にはより連携できるようにしていく必要があると考えている」(森氏)。

ロボットとの連携は簡単、鍵を握るのは「手」の部分

 インダストリー4.0が目指す自律化した生産の実現においては、産業用ロボットの活用も鍵となる。こうした産業用ロボットと工作機械の融合について森氏は「非常に簡単にできる。ほぼ全てのメーカーとの連携が可能」と語る。

 その一方で「しかし産業用ロボットのアームの先に取り付けるハンドや治具のエンジニアリングについては知的な職人の世界。ここに関しては大学の博士課程を出たような人ではなく、工業高校卒の若い人材を100人、200人の単位で5〜10年しっかりと教育していくことが重要になる」と述べている。

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