DCモーターなど各種モーター製品を展開するスイスのmaxon motorは、人間の動きや構造に精緻に似せた人型ロボットを出展した。頭部の“1つ目”部分にカメラを搭載し、その映像のアルゴリズム処理を行うことで、人の顔などを認識し、話している方向を向いたり、手を上げるなど、さまざまな動きをすることで会場でも人気となっていた。
ただし、同社はモーターメーカーであるので、このデモで訴えたかった点は数多く採用されているモーターの技術力である。同社はこのロボットのデモとは別に、このロボットの腕部分だけを切り出した別の展示も実施。肩から手までの部分をブース担当者がリモコンで操作し、従来のロボットでは難しかった柔らかいモノをつかんだり、軽いものをつかんだりするデモを行った。
この腕部分は、人間の腕の構成に近い作りとなっており、腱を意味するひもがモーターから数多くつなげられている。この「腕ロボット」は肩から下部分だけだが、使っていたモーターは16個。肩からひじの間で10個、ひじから手のひらまでが6個のモーターを採用している。ただし手のひらの部分は、親指以外の指は同じ動きしかできないので「人間の手と完全に同じ稼働状況にするにはさらにモーターが必要になる」(担当者)と話していた。
ドイツのKUKAは、人が投げるボールをキャッチするロボットを出展した。
ロボットアームの、人間の手のような4本指のロボットハンドを装着。実際に人の手によりボールが投げられると、ロボット上部の20台以上のカメラにより、ボールの動きを撮影し、それをコンピュータで処理してボールの軌跡を予測。さらにロボットが最適に衝撃を吸収するような動きを取るように制御し、ボールキャッチする。
「最終的にロボットも、人間がボールをキャッチする時に取るような動きと同じように、衝撃を吸収する動きを行う」とブース担当者は話していた。デモでは何度かキャッチに失敗するシーンもあったが、最終的にボールをキャッチすると観客からは歓声が巻き起こっていた。
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