ソニーは川崎市および川崎市薬剤師会と、非接触ICカード技術「FeliCa」を利用した電子お薬手帳サービス「harmo」の試験サービスに関する協定を締結した。
ソニーは2015年3月25日、川崎市および川崎市薬剤師会と、非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を利用した電子お薬手帳サービス「harmo(ハルモ)」の試験サービスに関する協定を締結したと発表した。
harmoは、薬局などで調剤された薬の履歴などに関するデータを、非接触型ICカード技術FeliCaを用いて、クラウドサーバ上で電子的に管理するサービス。FeliCaチップが埋め込まれたカードを薬局の端末にかざすだけで、調剤履歴の閲覧と調剤情報の記録が可能だ。
利用者は、スマートフォン用アプリをインストールしたモバイル端末から調剤情報を閲覧できる他、服薬後の副作用、アレルギーなどの記録もできる。登録した家族間の情報共有も可能となっている。薬局での導入も容易で、専用のソフトウェアをインストールしたパソコン、タブレット、カードリーダーなどを用意するだけで、システムを構築できる。
また、利用者の個人情報を含まない形でデータをクラウドに保存するため、セキュリティレベルが高いクラウドサービスとなっている。今後は、利用者の同意を得た上で、個人情報を含まないデータを蓄積し、統計データの有用活用を目指すという。
3者では、2013年11月に、同年秋に神奈川県川崎市全域で運用を開始した同試験サービスを円滑に導入することを目的に、2015年3月末までの協定を締結。これに沿った施策を展開した結果、川崎市では試験サービスの導入が順調に進んだという。今回、この成果を評価し、さらなる利用者・薬局の拡大と将来の多様なサービスへの円滑な移行を目的として、2015年度に実施する試験サービスに関する協定を締結した。
harmoの利用は、川崎市での初導入後、2014年には横浜市の4区にも拡大し、現在までに約200の薬局に導入され、利用者は1万人を超えるという。2015年3月には、滋賀県薬剤師会、神戸市薬剤師会、豊中市薬剤師会と連携し、新たに滋賀県、兵庫県神戸市、大阪府豊中市内の薬局に対する試験サービスの提供が開始された。
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