フラウンホーファーIPAなども参加するプロジェクト「ARENA2036」では、実際の工場を使って、最先端の製造手法などの研究開発を進めているという。ちなみにARENAは「Active Research Environment for the Next Generation of Automobiles」の略だ。ドイツのダイムラーやボッシュ、BASFなどが参加しており、インダストリー4.0のコンセプトを現実のものとする自動車工場実現に向け取り組みを進めているという。
「現在の工場は一度生産ラインを構築したら柔軟性は限られたものになる。各種の生産機器の配置し直し求められる品質が生み出せる生産システムの構築に時間がかかるからだ。しかし、インダストリー4.0によって実現する未来の工場においては、高い柔軟性を実現できる。需要動向や生産計画などに適宜対応し、生産される自動車そのものが自由に工程間を動き回り、最終製品へと仕上げられていくような形になるからだ」とザイデルマン氏は語っている。
これらの新たな工場の姿が実現する時に必要となる各種機器の研究なども進めている。例えば、PLC(Programmable Logic Controller)の一部機能をクラウド上に置き、随時生産工程のプログラムを書き変えながら利用するというようなものや、無線情報で必要な生産工程を自由に行き来できる「Active Tray」、ローコストな作業支援ロボットなどを具体的に研究している。
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