大形軸受を評価・解析するための「大形軸受技術開発センター」の本格稼働を開始した。「風力発電装置用超大形軸受試験機」「高速鉄道車両用軸受試験機」「鉄鋼設備用軸受試験機」を導入し、実機に近い環境を再現した評価が可能になった。
ジェイテクトは2014年11月28日、産業機械分野で使用される大形軸受を評価・解析する「大形軸受技術開発センター」を開設し、本格稼働を開始したと発表した。
これまで大形軸受は、机上の検討と基礎評価後、ユーザーの実機で評価実験をするのが一般的だった。同センターでは、「風力発電装置用超大形軸受試験機」「高速鉄道車両用軸受試験機」「鉄鋼設備用軸受試験機」を導入し、実機に近い環境を再現した評価が可能になった。また、シミュレーション精度も向上し、今後はより信頼性の高い軸受を短期間で開発していくという。
同センターに導入された風力発電装置用超大形軸受試験機は、軸受外径φ2.5m、5MWクラスの風車に対応するもの。実機風車と同じ位置での荷重負荷を再現し、回転中の荷重・転動体挙動測定、潤滑状態の観察が可能になった。評価結果とCAE解析を組み合わせることで、解析精度が向上し、評価期間も短縮できる。
高速鉄道車両用軸受試験機では、実車両で記録した速度・振動・カーブ時の車軸の動きなどを忠実に再現したシミュレーションや、時速400kmを超える評価試験が可能だ。
さらに鉄鋼設備用軸受試験機は、実機サイズでの評価、実機運転状況、周辺環境の再現が可能で、大量流水・高速回転、低粘度潤滑・高荷重などの実機環境での損傷を再現できる。
建屋も含めた同センターの総投資額は約20億円で、所在地は大阪府柏原市。同社では、今後同センターを中心に、産業機械分野向け軸受の商品開発を強化するという。
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