心臓を“設計”する! 東大の人工心臓研究に「PTC Creo」が採用CADニュース

PTCジャパンは、東京大学大学院医学系研究科の研究グループが完全置換型人工心臓の開発に同社の3次元CAD「PTC Creo」を活用していることを明らかにした。

» 2014年11月18日 18時30分 公開
[三島一孝MONOist]
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 PTCジャパンは2014年11月18日、東京大学大学院医学系研究科の研究グループが完全置換型人工心臓の開発に同社の3次元CAD「PTC Creo」を活用していることを発表した。

 東京大学では1959年から人工心臓の研究を行い、1970年からは動物実験を実施している。人工心臓には、心臓を切除して置換する完全置換型人工心臓(TAH)と、機能不全の心臓に装着してポンプ機能を補助する補助人工心臓(VAD)の2種類がある。東京大学人工心臓開発チームは、PTC Creoを用いて、完全置換型人工心臓を中心とした総合的な研究開発を推進している。

 同グループでは2008年に、体内埋込式完全置換型人工心臓として国内最長生存記録の153日を達成している。また、体外に血液ポンプと駆動装置を置く空気圧駆動方式の完全置換型人工心臓では、最長532日の生存実績があり、動物実験としては世界最長生存記録を保有している。

photo らせん流完全人工心臓の全体像

 現在研究開発中の体内埋込式完全置換型人工心臓は、血液を潤滑媒体とするインペラーの非接触浮上(動圧軸受)により耐久性を著しく向上。また、PTC Creoを活用して導圧軸受の安定性の大幅な向上と、溶血や血栓の問題のさらなる改善を実現したという。

photo らせん流人工心臓ポンプの分解図

 東京大学では2003年よりPTC Creoの前身であるPro/ENGINEERを活用しており、2012年にPTC Creoを導入している。

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