ホンダ社長の伊東孝紳氏は、東京都内で開いた新型「レジェンド」の発表会で、2016年度に年間600万台まで伸ばすとしていた四輪車のグローバル販売目標台数について必達としない方針を示した。
ホンダ社長の伊東孝紳氏は、2014年11月10日に東京都内で開いた新型「レジェンド」の発表会(関連記事:新型「レジェンド」は“昂ぶり”を表現、ホンダが旗艦セダンの復権目指す)で、2016年度に年間600万台まで伸ばすとしていた四輪車のグローバル販売目標台数について必達としない方針を示した。
同社は、新開発の1モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載する「フィット ハイブリッド」が、発売から1年間で5回ものリコールを発表したことなどもあって、新型車の投入計画に遅れが出ている。このため、同社が2014〜2016年度の第12次中期計画で、2016年度の達成を目指していた四輪車のグローバル販売台数を600万台という目標に影響が出る可能性が指摘されていた。
会見の質疑応答で伊東氏は、「この600万台という数字は、いいモノをタイムリーかつリーズナブルな価格で提供し、世界各地域でホンダの四輪車事業を着実に根付かせることによって実現できるもの。だが、数字が独り歩きし過ぎた面も多い。最も重要なのは各地域に根付くことであって、600万台は必達ではない」と語った。
また一連のリコール問題については同氏は、「猛省するところで、ご迷惑を掛けて誠に申し訳ない。『エンジンが中心でモーターはアシスト』という、従来技術の延長線上にあった既存のハイブリッドシステム『IMA』と比べて、フィット ハイブリッドに搭載した新開発のi-DCDは、モーターの能力を走行シーンに合わせて最大限に引き出すため高度な制御が必要だった。今回反省すべきは、この走行シーンに合わせた制御について、テストコースでの試験が不足していたことだ。問題について一生懸命に調査し、解決するのに時間がかかってしまった」と説明した。
さらに、「新型レジェンドや他の車両で同様のことが起こらないように、開発プロセスを精査していたので、新型車の発表に遅れが出てしまった。開発期間の短縮やコスト削減は重要だが、われわれはお客さまにいいモノをリーズナブルに届けるために仕事をしているのであり、これこそが最も重要だ」(伊東氏)として、品質を重視する姿勢を強調した。
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