日産「スカイライン」が米国でリコール、EV走行時にモーター停止のおそれエコカー技術

米国運輸省の道路交通安全局は、日産自動車がインフィニティブランドで展開している、FRハイブリッドシステム搭載車両「Q50」と「Q70」についてリコールの提出を受理したと発表した。両車の日本名は、Q50が「スカイライン」、Q70が「フーガ」である。

» 2014年11月06日 14時10分 公開
[MONOist]
日産「スカイライン」が米国でリコール

 米国運輸省(DOT)の道路交通安全局(NHTSA)は2014年11月4日と5日(米国時間)、日産自動車がインフィニティブランドで展開している、FRハイブリッドシステム搭載車両「Q50」と「Q70」についてリコールの提出を受理したと発表した。両車の日本名は、Q50が「スカイライン」、Q70が「フーガ」である。

 提出されたリコールは3件ある。1つ目は、自動変速機のハウジングが製造過程で損傷を受けている可能性があり、走行を続けているとこの損傷が故障につながるという不具合だ。対象となるのは2013年10月16日〜2014年1月27日に製造したQ50と、2013年11月7日〜2013年12月10日に製造したQ70で、総計817台。改善措置としては、ディーラーで自動変速機を検査し、亀裂を発見した場合には交換する。

 2つ目は、ハイブリッドシステムのモーターだけを使って走行するEV走行の際に、制御ソフトウェアのエラーによってモーターが停止する不具合である。対象となるのは2012年10月10日〜2014年6月25日に製造したQ50と、2013年11月7日〜2014年5月7日に製造したQ70で、総計5412台。改善措置としては、ディーラーでモーターインバーターの制御ソフトウェアの書き換えを行う。

 3つ目も制御ソフトウェアのエラーによる不具合だ。スロットルポジションセンサー(TPS)の信号を見落とす可能性があり、このときエンジン制御モジュールがフェイルセーフモードに入り、スロットルチャンバーを閉じてしまうことがある。その後でTPS信号が回復すると、TPSからのスロットル位置信号とは関係なくスロットルチャンバーを開放してしまう。このスロットルチャンバーの再開放によって、意図しない加速が徐々に起こるため、事故につながる可能性がある。対象となるのは2012年10月10日〜2014年7月5日に製造したQ50と、2010年4月9日〜2014年5月7日に製造したQ70(旧車名の「M35」を含む)で、総計6562台。改善措置としては、ディーラーでエンジン制御モジュールの制御ソフトウェアの書き換えを行う。

【訂正】日産自動車広報部に、今回のリコールに関する日本での対応について確認したところ、「現時点では国土交通省にリコールを提出していない」という回答だったため、記事末尾で「なお、これら3つのリコールについて、現時点(2014年11月6日14時)で日本の国土交通省には提出されていない。」としていました。しかしその後読者からの指摘があったため、同社広報部に再確認したところ、「2014年9月18日に国土交通省に提出したリコール(関連記事:日産のFRハイブリッド車1万8000台がリコール、「フーガ」「スカイライン」など)が、NHTSAから遅れて発表された」という回答が得られたため、該当の記述を削除しました。記事本文は訂正済みです。

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