パナソニック システムネットワークス社は、工場の「見える化」を実現する「アドバンスド工場見える化システム」を紹介した。
アドバンスド工場見える化システムは同社佐賀事業所(佐賀県鳥栖市)での実践事例を基にして、外部に販売しようというもの。同システムは、生産現場のさまざまなシステムをAPIにより連携し、統合データベースを構築することで、リアルタイムの情報配信や情報分析などを行うことができる。生産情報の一元管理を実現することで、生産進捗や問題点の見える化を実現する。加えて、同社製品である監視カメラなどを用いてデータと映像を組み合わせることで、異変が起きた際でも即座に状況判断が可能となる。
パナソニック システムネットワークス 製造ソリューション事業推進室 担当課長 中沢直木氏は「生産データとともに映像を同時に見ることができるため、数値による異常が発生した時、生産現場がどのような状況なのか、即座に判断できる。結果として従業員の無駄な派遣などを抑えることが可能だ」と語っている。
富士ゼロックスは製造業向けの提案として「言行一致+IT」ソリューションを提案している。この「IT」とは、同社がもともと提供しているドキュメントソリューションを製造業向けに提供するもので、設計図面や3次元CADなどさまざまな形態で保存されているドキュメントを統合管理し、円滑な活用をサポートする。一方の「言行一致」では、同社が自社の改革や改善によって蓄積してきたノウハウやナリッジをソリューション化し、提供する。
DMS2014では、「言行一致」をコンセプトとしたソリューションとして、「部品・材料の標準化ソリューション」、「設計情報管理ソリューション」、「手書き情報のデータ入力容易化ソリューション」の3つのソリューションを紹介した。例えば「部品・材料の標準化ソリューション」は、多くの部品や材料を使う同社の事務機の製造に利用しているもので、各部門が保有するデータベースを連携することで、安くて良い部材を設計者に「見せる」ようにし、集約化によるコスト低減や業務効率向上につなげられる。ウイングアーク1stのBIツールである「Dr.Sum EA」と「Motion Board」を用いて実現しているという。
富士ゼロックス ソリューション・サービス開発本部 ソリューションプロジェクトマネジメント部 業務PM部 業務ソリューション4グループ グループ長 広森順子氏は「富士ゼロックスの事務機器は比較的複雑な構造の製品だといえる。そこで培ったモノづくりのノウハウをソリューションとして提供することで、多くの製造業の業務を支援できると考えている」と語る。
リコーは、インタラクティブホワイトボードにより、遠隔地の設計現場と生産現場が緊密に連携できるようにするソリューションを提案した。同社のインタラクティブホワイトボード「D5500」を利用し、製品設計などを行う神奈川県海老名市のリコーテクノロジーセンターと中国・深センの工場を結ぶことで、設計変更や生産方法検討などの話し合いを円滑に行うことができているという。同社ではこれらの製造現場での実績を基に、今後社外への提案を進めていく方針だという。
リコー ビジネスソリューション事業本部 イメージング&コミュニケーションビジネスセンター NAマーケティング室 PJSマーケティンググループ シニアスペシャリストの真田陽介氏は「設計・製造の現場では現物を見ながら問題点を修正していくことが重要になる。インタラクティブホワイトボードで現物をカメラで取り込み、そこにコメントを書いてリアルタイムで遠隔地に届けることも可能。設計変更箇所などが間違いなく短時間に伝えられる」と話している。
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