富士通は「第25回 設計・製造ソリューション展」において、3次元デジタルデータ活用による「モノを作らないものづくり」に関連するソリューションを提案。ICT活用によるモノづくりの進化を訴える。
富士通は、「第25回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2014、2014年6月25〜27日、東京ビッグサイト)で、3次元デジタルデータ活用による「モノを作らないものづくり」に関連するソリューションを提案。ICT活用によるモノづくりの進化を訴える。
同社では例年、グループ企業であるデジタルプロセス(DIPRO)やiCADと共同で、3次元デジタルデータを核とし「データ衝――日本発のものづくりICT」をテーマにした出展を行っている。今回のDMSでも同様のコンセプトながらサブテーマとして「次世代のものづくりをけん引するエンジニアリングICT」を掲げ、特に製品開発の上流から下流まで一貫したデータで結び付けるソリューションをアピールする。
DIPRO取締役でVPSビジネス部長 技術ソリューション部長の山田洋一氏は「前回はパッケージでの訴求が多かったが、今回は一連のデータの流れが分かるようなブース配置としたことが特徴だ。CAD、CAE、CAM、DMU、PDM、BOMなど、従来分断されていた業務を一連のデータの流れでカバーできることをアピールしたい」と話している。
同社グループが推進する「モノを作らないものづくり」とは、開発の上流から解析ツールやシミュレーションツールなど、ICT技術を活用し、試作の繰返しなど手間やコストの掛かる作業を極限まで低減する取り組みだ。製品を作るまで試作を作らずに全てシミュレーションでモノづくりを実現するというのが理想の姿だ。主に「デジタルデータによる設計検証」「製造しやすい設計の追求」の2つのプロジェクトで構成されている。
特徴となる製品が「VPS(Virtual Product Simulator)」と「GP4」である。「VPS」はコンピュータ内に3次元のバーチャル試作機を創り出し、各部門で共有・活用することにより、実機(試作機)に頼らないモノづくりを可能とする製造プロセスシミュレーターだ。一方の「GP4」は製造作業を最適化するための生産ラインシミュレーター。機材や人の配置、作業動線、さらには作業者の姿勢や作業視野といった要素を、比較検証でき、生産ラインの垂直立ち上げなどが可能となる。これらのソリューションは同社グループ工場で既に利用されているという(関連記事:富士通のPC工場、勝利の方程式は「トヨタ生産方式+ICT活用」)。
さらに3Dホログラムディスプレイである「zSpace」を活用したソリューションなども実演する(関連記事:3次元モデルが目の前にあるみたい! スタイラスで突いて、回して、裏返して――zSpace)。立体視により試作データを確認することが可能となり、試作や組み立ての仮想検証などがより直感的に行えるという。
また同社が取り扱うシーメンスPLMソフトウェアのCAD/CAMである「NX」やPLM「Teamcenter」、iCADの「iCAD/SX」「iCAD/MX」、富士通のPLM「PLEMIA」などとこれらの仮想モノづくりソリューションの連携も訴え、実際に現場で使える一貫したソリューションとしてアピールする方針だ。
会期 2014年6月25〜6月27日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了
会場 東京ビッグサイト
東ホール(小間番号:12-16)
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