日産自動車の「DAYZ ROOX(デイズ ルークス)」と三菱自動車の「eKスペース」は、ニッケル水素電池にブレーキ回生の電力を充電しておき電装品に供給する「バッテリーアシストシステム」を搭載。JC08モード燃費で26.0km/lを達成した。ニッケル水素電池はパナソニック製だ。
日産自動車は2014年2月13日、スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車「DAYZ ROOX(デイズ ルークス)」を発売した。新たに開発した「バッテリーアシストシステム」を採用するなどして、自然吸気エンジン搭載の2WDモデルでJC08モード燃費は26.0km/lを達成。自動車取得税と重量税が全額免税となるエコカー免税の対象車となっている。税込み価格は、自然吸気エンジン搭載の2WDモデルが124万50〜159万4950円、4WDモデルが135万7650〜171万2550円。ターボエンジン搭載モデルは、2WDモデルが173万4600円、4WDモデルが185万2200円。月間販売目標台数は5000台。
バッテリーアシストシステムは、日産自動車と三菱自動車の合弁会社であるNMKVが開発したもので、デイズ ルークスと同日発売の三菱自動車の「eKスペース」にも搭載されている。ブレーキ回生によって発電した電力をニッケル水素電池に充電し、オーディオやカーナビ、空調システムなどの電装品に電力を供給することができる。燃費向上効果は「数%程度」(日産自動車の説明員)だという。ニッケル水素電池は、パナソニックが2013年2月に発表した「12V エネルギー回生システム」のものを採用している(関連記事:パナソニックが切り開く車載ニッケル水素電池の新市場)。
同システムは、鉛バッテリーの寿命を延ばす効果が得られることも特徴の1つだ。従来、デイズ ルークスのようなアイドルストップシステム搭載車の場合、ブレーキ回生によって発電した電力を鉛バッテリーに充電し、停車中などアイドルストップしている際には鉛バッテリーの電力を使って電装品に電力を供給する。この充放電サイクルの頻度が、非アイドルストップシステム搭載車と比べて多いこともあり、数万円のアイドルストップシステム用鉛バッテリーを2〜3年ごとに交換しなければならないという問題があった。バッテリーアシストシステムでは、ブレーキ回生による充電と電装品への放電をニッケル水素電池が担うので、鉛バッテリーの寿命を大幅に伸ばすことができるのだ。
パナソニックの発表した12V エネルギー回生システムは、ニッケル水素電池の電力を走行アシスト用モーターに供給することもできるとしていた。しかし、今回のバッテリーアシストシステムは、電装品に電力を供給する機能までにとどめている。
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