今回、正式発表されたIntel RealSense 3Dカメラは、深度センサーとフルハイビジョン(1080p)対応の2Dカラーカメラを搭載した製品である。指先のジェスチャーや顔認識が可能となり、人間の動作や感情をコンピュータが把握できるようになるという。PerCで提供されていたSDKの機能がどの程度継承されているのか、モーションセンサーデバイスのセンサー方式がCreative Cameraと同じTOF(Time Of Flight)方式なのかは現時点で不明である。
Intel RealSense 3Dカメラは、Ultrabookをはじめとしたコンピュータに組み込むことを前提に設計された製品であり、Microsoftのモーションセンサーデバイス「Kinect for Windows」のような全身の骨格検出を得意とするものではなく、手指と顔の検出がメインとなるだろう(ちなみに、Kinectの次世代版では手指の検出機能も向上しているそうだ)。イメージとしては、手指のジェスチャーを高精度で認識できるLeap Motion社の「Leap Motion Controller」(こちらはステレオカメラ方式)に近い。またまた余談だが、ノートPCへの組み込みという点では、Leap Motionが先行しており、HPから「HP ENVY17-j100 Leap Motion SE」が発売されている。
さらに、“人間に近い感覚でのコンピュータの操作”という点で、Intel RealSenseは音声認識もサポートする。インテルと提携した米Nuance Technologyの音声認識技術「Dragon Assistant」を、2in1デバイス、タブレット端末、Ultrabookなどに展開し、Webサイトやアプリケーションと協調動作するパーソナルアシスタント機能(会話口調での対話が可能)を実現。こちらは、ネットワークに接続していない状態でも、機器の管理や音声メモなどが行えるという。
インテルは、新しいユーザー体験を提供すべく、PCメーカー各社以外ともコラボレーション。3D Systems、Autodesk、DreamWorks、Metaio、Microsoft、Tencentなどとの協業を進めているという。例えば、Intel RealSense 3Dカメラを搭載したPCでSkypeとLyncを用いたビデオチャットを行う際に、人物の背景だけを編集・除去したりできる。また、3Dスキャン/プリントも実現可能になるという。今回、インテルと3D Systemsは協業を発表し、3Dスキャン、編集、プリント機能を提供する一般ユーザー向けソフトウェアソリューションを、早ければ2014年下期に提供するという。さらに、3D Systemsはインテルが提供する「Intel RealSense SDK」の一部に、3Dスキャン技術を提供するとしている。
MONOistを運営するアイティメディアでは、今年も「製造業向け」バーチャル展示会を開催いたします(会期:2014年2月18日〜3月7日)。「メカ設計」「製造マネジメント」「組み込み開発&エレクトロニクス」「スマートエネルギー」「FA」の5つのEXPOを展開し、国内外のキーパーソン/リーディングカンパニーへのインタビューや講演動画などをお届けします。
今回お届けしたニュース記事と親和性の高い講演「GUIから『NUI』へ、ユーザーインタフェース進化論 〜モーションセンサー活用の最新事例〜」(講演者:中村薫氏)も用意しておりますので、ぜひご来場登録をお願いいたします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.