インテルが公開している非接触型ユーザーインタフェース搭載アプリケーションを開発するためのSDK「Intel Perceptual Computing SDK 2013」をご存じだろうか。現在、同SDKを活用した世界規模のアプリコンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge」が開催中で、日本国内でも展示会やセミナーなどで取り上げられ、注目されつつある。
アジア最大級のIT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2013」の開催期間中(会期:6月4日〜8日)に、インテルが行った記者会見の中で、ジェスチャー・音声認識・顔認識・オブジェクトトラッキングを活用した“Perceptual Computing”に関する発表があった。
近い将来(2014年後半?)、Ultrabookのベゼル部分には、小型のモーションセンサーモジュールが組み込まれ、ジェスチャーや音声認識(インテルと提携した米Nuance Technologyの音声認識技術「Dragon Assistant」を活用)などによる新しいユーザーインタフェース(UI)機能が標準搭載されるという。
現在、インテルは、Intel Core プロセッサを搭載するPC環境上で、このナチュラルユーザーインタフェース(NUI)を実現するアプリケーション開発のためのSDK(Software Development Kit)「Intel Perceptual Computing SDK 2013」を正式公開している。世界中のエンジニアから従来のキーボード/マウスやタッチ操作とは異なる“新しいUI”によるコンピューティングの在り方・アイデアを募る考えだ。
開発者は、インテルのWebサイトから米Creative Technology製のモーションセンサーデバイス「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」を購入し、同SDKをPCにインストールすることで、すぐにNUIアプリケーションの開発に着手できる。将来、Ultrabookに標準的に組み込まれる技術ということもあり、50cm〜10mまで認識できるマイクロソフトの「Kinect for Windows」よりも“近距離(15〜100cm)”での利用が前提となる。高精度に指や手のひらの状態を認識できる他、顔検出(目頭、目じり、口元)や音声認識などにも対応する(Kinect for Windowsのように全身のスケルトン・トラッキングなどはできない)。現在のところ、日本国内では、Kinect for Windowsの方が認知度が高いが、先日行われた「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」のインテル・ブースでは、Intel Perceptual Computing SDK 2013が披露され、多くの来場者が集まっていた(関連記事)。
あまり知られていないかもしれないが、実は、このIntel Perceptual Computing SDK 2013を用いたワールドワイドのコンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge」(コンテスト公式サイト)が現在開催中で、日本国内でもセミナーなどで紹介されつつある。
インテルのパートナー企業である東京エレクトロン デバイスは、「モーションセンサーデバイス活用セミナー」を2013年6月5日に開催。Depthセンサーアプリケーションの開発を中心にフリーランスで活動している中村薫氏や、インテル 技術本部 統括部長 亀井慎一朗氏らを講師に招き、現在主流の幾つかのモーションセンサーデバイスの機能・特徴の他、Intel Perceptual Computing SDK 2013を用いたサンプルアプリケーションの事例、コンテストの概要などを紹介した。
また、インテル自身も、第1次審査(アイデア募集)の締め切り(2013年6月17日)が迫るIntel Perceptual Computing Challengeへの国内参加者への支援として、セミナーなどを企画。6月12日に「Perceptual Computing Developer セミナー 東京」を開催する他、コンテストに向けたアプリ企画・アイデア出しなどを行う「Perceptual Computing Ideathon(アイデアソン) 東京」を6月15日・22日に実施する計画だ(インテルのセミナー・イベント告知サイト)。なお、「英語に自信のない人には、インテルが翻訳のサポートも行う」(亀井氏)という。
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