矢野経済研究所によると、化粧品受託製造市場の規模は、大手企業がアウトソーシングに乗り出したことや異業種参入が増えたことなどから、2012年3月期は3.7%増の2085億円となったという。
矢野経済研究所は2013年7月17日、化粧品製造受託市場に関する調査結果を発表した。それによると、2012年3月期の市場規模は、新規参入が相次いだことやアウトソーシングを行うブランド企業が増えたことなどにより、前期比3.7%増の2085億円(事業者売上高ベース)となったという。その一方で、参入事業者が増えたことによる競争激化が起こり、今後は受託製造事業者の二極化が進むと予測している。
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化粧品受託製造市場は、2005年に改正薬事法が施行されて以来、化粧品ブランドメーカーが相次いで参入。さらに異業種からの新規参入も相次いでおり、成長を続けている。また、国内市場への商品供給だけでなく化粧品輸出を強化する動きが増加。さらに海外生産拠点を設置し、海外での需要獲得を目指す動きが活発化していることから、当面は成長が続く見込みだ。
矢野経済研究所では、化粧品受託製造事業者の立場も変わりつつあると指摘。「化粧品ブランドメーカーの生産を補完する下請け的な立場から、化粧品ブランドメーカーとの共同開発を行う対等なパートナーに変化している」(同社)。新規参入企業に対してはマーケティング戦略の一端を担う動きも目立ち、存在感を高めているという。
今後も化粧品ブランドメーカーがR&Dとマーケティングに集中することで、生産アウトソーシングが進展することが予測される他、製造設備を持たない新規参入企業の台頭などにより、市場全体としては拡大基調で推移。2014年3月期の市場規模は前期比2.6%増の2140億円になると予測している。
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