「アコードプラグイン」の複合燃費は70.4km/l、アウトランダーとプリウス上回る販売は法人向けリースだけ(2/2 ページ)

» 2013年06月21日 13時22分 公開
[朴尚洙,MONOist]
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「アウトランダーPHEV」「プリウスPHV」と比較

 アコード プラグイン ハイブリッドを、既に国内で販売されているPHEVである「アウトランダーPHEV」(「Eグレード」)や「プリウスPHV」(「Lグレード」)と比較した。表1に、各車両の、EV走行距離、複合燃費(JC08モード)、ハイブリッド燃費(JC08モード)、電力量消費量(国土交通省審査)、充電時間(200V電源)、電池容量、CEV補助金込みの実質購入可能価格を示している。


車両名 アコード プラグイン ハイブリッド アウトランダーPHEV プリウスPHV
複合燃費(JC08モード) 70.4km/l 67.0km/l 61.0km/l
ハイブリッド燃費(JC08モード) 29.0km/l 18.6km/l 31.6km/l
電力量消費率(国土交通省審査) 9.26km/kWh 5.90km/kWh 8.74km/kWh
車両重量 1740kg 1770kg 1675kg
充電時間(200V電源) 約1.5時間 約4時間 約1.5時間
EV走行距離 37.6km 60.2km 26.4km
電池容量 6.7kWh 12kWh 4.4kWh
実質購入可能価格 460万円 302万4000円 272万円
表1 3社のPHEVの性能比較
三菱自動車の「アウトランダーPHEV」 三菱自動車の「アウトランダーPHEV」(クリックで拡大) 出典:三菱自動車
トヨタ自動車の「プリウスPHV」 トヨタ自動車の「プリウスPHV」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 PHEVとしての燃費を示す複合燃費は、電池容量の多いアウトランダーPHEVや、より小型のプリウスPHVを上回る70.4km/l(リットル)を達成した。ただし、HEVとして走行させた場合の燃費であるハイブリッド燃費は、プリウスPHVに軍配が上がった。

 ハイブリッド燃費でプリウスPHVの方が良好であるにもかかわらず、複合燃費はアコード プラグイン ハイブリッドが上回った理由は、EV走行時の燃費に相当する電力量消費率に表れている。プリウスPHVの8.74km/kWhに対して、アコード プラグイン ハイブリッドは9.26km/kWhであり、1kWh当たりの電力量で走行できる距離が多いのだ。この値は、ホンダの電気自動車(EV)「フィットEV」に匹敵するという。

 車両重量は、アコード プラグイン ハイブリッドとアウトランダーPHEVは、1750kg前後とほぼ同等で、プリウスPHVより重い。にもかかわらず、アコード プラグイン ハイブリッドの電力量消費率はプリウスPHVを上回っていることには驚かされる。これは、もともとハイブリッド車向けに開発されたシステムを使ってEV走行しているプリウスPHVと比べて、アコード プラグイン ハイブリッドのSPORT HYBRID i-MMDが、HEVとPHEVの双方で最適な走行ができるように開発されているからだろう。

車両のボディサイズと電力量消費率の比較 車両のボディサイズと電力量消費率の比較。「アコード プラグイン ハイブリッド」は、車両サイズが最も大きいが、MPGe(1マイル当たりの走行マイル数に換算した燃費)は「フィットEV」に匹敵する(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 EV走行距離は、それぞれが搭載するリチウムイオン電池の容量に比例している。アコード プラグイン ハイブリッドは、アウトランダーPHEVの60.2kmよりも短く、プリウスPHVの26.4kmよりも長い。

 各PHEVのCEV補助金の額は、アコード プラグイン ハイブリッドが40万円、アウトランダーPHEVが30万円(急速充電機能無しモデル)、プリウスPHVが33万円である。アコード プラグイン ハイブリッドが最も多いものの、これを差し引いた実質購入可能価格はアコード プラグイン ハイブリッドが460万円と圧倒している。実に、アウトランダーPHEVよりも150万円以上高いのだ。この価格を考えると、法人や官公庁向けのリースに限定して販売するのは仕方がないのかもしれない。

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