ホンダが熊本県と宮古島で超小型EVの社会実験、大人2人乗車の「βモデル」を使用電気自動車

ホンダは、超小型電気自動車(EV)「マイクロコミュータープロトタイプ」を用いた社会実験を行うために、熊本県、沖縄県宮古島市とMOU(了解覚書)を締結した。使用する車両は、汎用性の高い大人2人乗車の「βモデル」である。

» 2013年06月04日 13時10分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「マイクロコミュータープロトタイプ」の「βモデル」のイメージ

 ホンダは2013年6月4日、2012年11月に発表した超小型電気自動車(EV)「マイクロコミュータープロトタイプ」(関連記事:太陽電池の電力で走る!? ホンダが超小型EVを公開)を用いた社会実験を行うために、熊本県、沖縄県宮古島市とMOU(了解覚書)を締結したと発表した。2013年秋から社会実験を順次実施できるよう、具体的な検討を開始している。

 この社会実験では、高齢者層の近距離圏内の日常的な移動支援の他、通勤や業務目的のカーシェアリングといったさまざまな用途での超小型EVの可能性を評価する。加えて、熊本県と宮古島市、それぞれの環境に合わせたインフラを含めた街づくりについても各自治体と共同で検証していく。子育て層に対する超小型EVの価値検討も進める方針である。

 熊本県では、各地域における移動の問題の改善、それに伴う地域の活性化、観光地としての新たな魅力の創出などに超小型EVをどのように利用できるのか検討する。環境エネルギー問題にも取り組む方針だ。

 宮古島市は、環境モデル都市としての取り組みの一環として、離島での街づくりや環境事業と連携した超小型EVによるCO2排出量の低減効果を検証する。観光地における環境対策の1つとして、再生可能エネルギーで超小型EVを運用するCO2フリー化の検討も東芝と共同で進めていくとしている。

汎用性の高い「βモデル」を提供

 熊本県と宮古島市の社会実験に使用するマイクロコミュータープロトタイプは、2次電池パックやモーター、制御システムなどを車両の床下と後部スペースに配置し、動力機能をコンパクトに完結させたプラットフォームである「Variable Design Platform」を採用している。このため、さまざまな用途や顧客の要望に合ったボディや内装を、既存の車両よりも比較的容易に開発/生産できることを特徴としている。

 2012年11月に発表した際には、都市部における子育て支援を想定して、ドライバーである親と子ども2人が乗車できる1+2人のシート構成をとっていた。一方、熊本県と宮古島市の社会実験では、高齢者層の移動、通勤や業務目的のカーシェアリングなど幅広い用途を想定している。このため、大人2人が乗車できる「βモデル」を提供する計画である。

 従来モデルとβモデルは、シート構成が異なるものの、モーターの最高出力が15kW、最高時速が80km、3時間未満の充電時間で60km程度走行できるといった仕様は同じである。

左の図は「Variable Design Platform」の概要。右の図は「マイクロコミュータープロトタイプ」の「βモデル」のイメージである(クリックで拡大) 出典:ホンダ

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