9月3日に発売される日産自動車の新型「ノート」。話題のスーパーチャージャ搭載グレードの価格は144万9000円からで、競合するホンダの「フィット ハイブリッド(HEV)」よりも14万1000円安い。JC08モード燃費は、フィットHEVの26.4km/l(リットル)に対して、新型ノートは25.2km/lとなり、1.2km/l下回っている。
日産自動車は2012年9月3日から、小型ハッチバック「ノート」の新モデルの国内販売を開始する。排気量1.2l(リットル)のミラーサイクルエンジンとスーパーチャージャの組み合わせにより、25.2km/lというJC08モード燃費を達成した「S DIG-Sグレード」の価格は144万9000円である。
この価格は、同クラスの小型ハッチバックとして競合するホンダの「フィット ハイブリッド(HEV)」の159万円と比べて14万1000円安い。その一方で、フィットHEVのJC08モード燃費は26.4km/lであり、新型ノートのS DIG-Sグレードよりも、1.2km/l良好である。
表1は、新型ノートとフィットHEVについて、外形寸法(全長×全幅×全高)、室内寸法(長さ×幅×高さ)、最小回転半径、荷室容量、車両重量、エンジン性能(排気量/最高出力/最大トルク)、JC08モード燃費、車両価格を比較したものだ。
車両名 | 新型ノート S DIG-S | フィット ハイブリッド |
---|---|---|
外形寸法 | 4100×1695×1525mm | 3900×1695×1525mm |
室内寸法 | 2065×1390×1255mm | 1825×1415×1290mm |
最小回転半径 | 5.2m | 4.9m |
荷室容量 | 330l | 341l |
車重 | 1070kg | 1140kg |
エンジン性能 | 1.2l/72kW/142Nm | 1.3l/75kW/199Nm |
JC08モード燃費 | 25.2km/l | 26.4km/l |
車両価格 | 144.9万円 | 159万円 |
表1 新型「ノート」と「フィット ハイブリッド」の比較 |
外形寸法を見ると、新型ノートは全長が4100mmで、フィットHEVよりも200mm大きい。このため、室内寸法の長さについても、新型ノートはフィットHEVを240mm上回る、2065mmとなっている。この室内寸法の長さを生かしているのが、後部座席の膝周りの広さ(ニールーム)で、既存モデルのノートと比べて85mm増となる643mmを確保している。日産自動車は、「エンジン排気量1.0〜1.5lクラスのハッチバック車では最大だ」としている。
ただし、フィットHEVは、燃料タンクを床下に配置するセンタータンクレイアウトにより、室内寸法の幅と高さで新型ノートを上回っている。室内寸法の高さが新型ノートより35mm大きいことは、車室内の圧迫感を減らす効果が大きいだろう。15インチタイヤを装着した場合の最小回転半径についても、全長が大きい新型ノートの5.2mに対して、フィットHEVは4.9mと小さい。荷室容量は、新型ノートが330l、フィットHEVが341lとなっており、若干フィットHEVの方が大きい。
エンジン性能は、新型ノートが、排気量1.2lの新開発エンジン「HR12DDR」とスーパーチャージャの組み合わせで、最高出力が72kW、最大トルクが142Nmを達成している。142Nmという最大トルクは、一般的な排気量1.5lのガソリンエンジンと同等だという。フィットHEVは、排気量1.3lのエンジンとハイブリッドシステム「IMA」の組み合わせになる。エンジンの最高出力は65kW、最大トルクが121Nm、IMAのモーターの最高出力は10kW、最大トルクが78Nm。単純合計では、最高出力が75kW、最大トルクが199Nmになる。
エンジン性能を数値で比較するとフィットHEVが新型ノートを上回っているものの、スーパーチャージャとハイブリッドシステムは出力やトルクを増やすタイミングが異なる。このため、いわゆる“乗り味”が、ドライバーの好みに合うかどうかも重視されそうだ。
室内空間や走行性能については、新型ノート、フィットHEVとも甲乙付けがたい。やはり最大の比較ポイントは、14万1000円という価格差と、1.2km/lという燃費差になるのかもしれない。
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