ミラージュの競合車種となるのは、外形寸法と荷室容積が同クラスの、マツダ「デミオ」、トヨタ自動車「ヴィッツ」、日産自動車「マーチ」などの登録車である。登録車よりも税金面で有利な軽自動車は、直接の競合にはなりにくいと考えられる。
表1に、ミラージュを含めた4車種のアイドルストップ機能搭載モデルについて、外形寸法(全長×全幅×全高)、車重、CD値、室内寸法(長さ×幅×高さ)、荷室容積、エンジン性能(排気量/最高出力/最大トルク)、JC08モード燃費、車両価格、発売日を示した。
車両名 | ミラージュ | デミオ | ヴィッツ | マーチ |
---|---|---|---|---|
外形寸法 | 3710×1665×1490mm | 3900×1695×1475mm | 3885×1695×1500mm | 3780×1665×1515mm |
車重 | 870kg | 1020kg | 1000kg | 950kg |
CD値 | 0.27 | 0.29 | 0.285 | 0.32 |
室内寸法 | 1890×1390×1220mm | 1815×1425×1220mm | 1940×1390×1250mm | 1905×1370×1270mm |
荷室容積 | 235l | 250l | 274l | 251l |
エンジン性能 | 1.0l/51kW/86Nm | 1.3l/62kW/112Nm | 1.3l/70kW/121Nm | 1.2l/58kW/106Nm |
JC08モード燃費 | 27.2km/l | 25.0km/l | 21.8km/l | 23.0km/l |
車両価格 | 118.8万円 | 135万円 | 136万円 | 120.1万円 |
発売時期 | 2012年8月 | 2011年6月 | 2010年12月 | 2010年7月 |
表1 「ミラージュ」と競合車種の比較 |
外形寸法を見ると、ミラージュが突出して小さいのは全長だけで、全幅と全高は他の3車種と同等である。しかし、車重の軽さは競合3車種を圧倒している。最も重いデミオと比べて150kg、最も軽いマーチと比べても80kg軽いのだ。これに、新開発の排気量1.0lの可変バルブタイミング機構付き3気筒エンジンや新型のCVT「INVECS-III」、アイドルストップ機能のAS&G、0.27というCD値が加わることで、27.2km/lという低燃費を実現できたわけだ。
低燃費の小型車は、低燃費を実現するために、室内の広さや荷室容積を犠牲にしていることも多い。4車種の室内寸法を比べると、ヴィッツが最も広いことが分かる。ヴィッツを除くと、ミラージュは、マーチよりも狭く、デミオよりも広いというイメージである。荷室容積も、ヴィッツが274lで最も大きい。マーチが251l、デミオが250lで、ミラージュは最も小さい235lとなっている。三菱自動車は、「日常使用で不足のない荷室容量」としているが、これはユーザーの考え方によるだろう。
一般的に、エンジンの排気量が小さければ、燃費は向上すると言われている。ミラージュの場合も、競合3車種よりもエンジンの排気量、出力、トルクは下回っているが、燃費は最も良い。特筆すべきなのはデミオで、エンジンの排気量、出力、トルクでマーチを上回りながら、燃費も良い値になっている。
車両価格は、ミラージュが最も安いものの、マーチとの差は1万3000円程度である。燃費よりもエンジン性能と室内の広さを優先するのであれば、2年前発売の車種ながらマーチを選択する可能性もあるだろう。ミラージュよりも15万円以上高価なデミオとヴィッツはそれぞれ、デミオが室内の狭さ、ヴィッツが燃費の悪さという欠点がある。
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