三菱自の「ミラージュ」は車重860kg、荷室容積は「ヴィッツ」比14%減の235lエコカー技術(2/2 ページ)

» 2012年08月01日 16時55分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]
前のページへ 1|2       

競合車種と比べて軽さと空力性能はトップ

 ミラージュの競合車種となるのは、外形寸法と荷室容積が同クラスの、マツダ「デミオ」、トヨタ自動車「ヴィッツ」、日産自動車「マーチ」などの登録車である。登録車よりも税金面で有利な軽自動車は、直接の競合にはなりにくいと考えられる。

 表1に、ミラージュを含めた4車種のアイドルストップ機能搭載モデルについて、外形寸法(全長×全幅×全高)、車重、CD値、室内寸法(長さ×幅×高さ)、荷室容積、エンジン性能(排気量/最高出力/最大トルク)、JC08モード燃費、車両価格、発売日を示した。

車両名 ミラージュ デミオ ヴィッツ マーチ
外形寸法 3710×1665×1490mm 3900×1695×1475mm 3885×1695×1500mm 3780×1665×1515mm
車重 870kg 1020kg 1000kg 950kg
CD値 0.27 0.29 0.285 0.32
室内寸法 1890×1390×1220mm 1815×1425×1220mm 1940×1390×1250mm 1905×1370×1270mm
荷室容積 235l 250l 274l 251l
エンジン性能 1.0l/51kW/86Nm 1.3l/62kW/112Nm 1.3l/70kW/121Nm 1.2l/58kW/106Nm
JC08モード燃費 27.2km/l 25.0km/l 21.8km/l 23.0km/l
車両価格 118.8万円 135万円 136万円 120.1万円
発売時期 2012年8月 2011年6月 2010年12月 2010年7月
表1 「ミラージュ」と競合車種の比較

 外形寸法を見ると、ミラージュが突出して小さいのは全長だけで、全幅と全高は他の3車種と同等である。しかし、車重の軽さは競合3車種を圧倒している。最も重いデミオと比べて150kg、最も軽いマーチと比べても80kg軽いのだ。これに、新開発の排気量1.0lの可変バルブタイミング機構付き3気筒エンジンや新型のCVT「INVECS-III」、アイドルストップ機能のAS&G、0.27というCD値が加わることで、27.2km/lという低燃費を実現できたわけだ。

 低燃費の小型車は、低燃費を実現するために、室内の広さや荷室容積を犠牲にしていることも多い。4車種の室内寸法を比べると、ヴィッツが最も広いことが分かる。ヴィッツを除くと、ミラージュは、マーチよりも狭く、デミオよりも広いというイメージである。荷室容積も、ヴィッツが274lで最も大きい。マーチが251l、デミオが250lで、ミラージュは最も小さい235lとなっている。三菱自動車は、「日常使用で不足のない荷室容量」としているが、これはユーザーの考え方によるだろう。

 一般的に、エンジンの排気量が小さければ、燃費は向上すると言われている。ミラージュの場合も、競合3車種よりもエンジンの排気量、出力、トルクは下回っているが、燃費は最も良い。特筆すべきなのはデミオで、エンジンの排気量、出力、トルクでマーチを上回りながら、燃費も良い値になっている。

 車両価格は、ミラージュが最も安いものの、マーチとの差は1万3000円程度である。燃費よりもエンジン性能と室内の広さを優先するのであれば、2年前発売の車種ながらマーチを選択する可能性もあるだろう。ミラージュよりも15万円以上高価なデミオとヴィッツはそれぞれ、デミオが室内の狭さ、ヴィッツが燃費の悪さという欠点がある。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.