「Atom」の車載利用が拡大へ、起亜自動車の高級セダン「K9」が採用車載情報機器

起亜自動車の高級セダン「K9」の車載情報機器にインテルの「Atom」が採用された。公表されている採用事例としては4件目となる。車載向けAtomの発表から3年以上が経過したこともあり、車載情報機器へのAtomの採用が拡大しつつあるようだ。

» 2012年07月31日 19時34分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]

 インテルは、東京都内で開催した「インテル・ソフトウェア・イノベーション・フォーラム 2012」(2012年7月31日)において、同社のプロセッサ「Atom」を採用している起亜自動車の高級セダン「K9」の車載情報機器を展示した。車載情報機器へのAtomの採用事例が公表されたのは、中国の自動車メーカー華泰汽車集団(HawTai Motor Group)、ドイツの車載情報機器大手Harman、日産自動車(関連記事)に次いで4件目となる。

 K9は、起亜自動車が2012年5月に韓国市場向けに発売した、同社の最高級セダンである。同車両のオプションとして選択できる車載情報機器にAtomが採用された。この車載情報機器は、ダッシュボード中央に設置したディスプレイ、運転席と助手席の背面側に設置した後部座席向けの2個のディスプレイなどから構成されている。Atomの処理能力によって、ダッシュボード中央のディスプレイでカーナビゲーションなどの運転支援情報を表示しながら、後部座席向けの2個のディスプレイで映像コンテンツを再生できる。なお、車載情報機器機のOSはMicrosoftの「Windows Automotive」を用いている。

起亜自動車の高級セダン「K9」「K9」の車載情報機器 左の写真は、起亜自動車の高級セダン「K9」である。右の写真は、「Atom」を採用したK9の車載情報機器。一番上にある2個のディスプレイが後部座席向けで、その下にあるディスプレイはダッシュボード中央に設置される。各ディスプレイのサイズは9.2インチである。(クリックで拡大)

 車載向けAtomが発表されたのは2009年3月。新車や車載情報機器の開発期間が3〜5年と言われていることを考慮すると、Atomを採用する車載情報機器は2012年から徐々に増え始める可能性が高い。インテルの説明員も、「今後数年の内に、車載情報機器へのAtomの採用事例が続々と発表されるだろう」と述べている。

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