MONOist 製造マネジメントフォーラムでアクセスが多かった記事を紹介します。今回の集計対象期間は、2012年5月1日〜15日です。
今回のランキング第2位は「どうなる!? 日本の有機EL技術〔前編〕ただの撤退ではない日本企業のしたたかな知財戦略を見る」でした。
2012年5月14日に一部の報道機関からソニーとパナソニックが有機ELテレビ事業で提携、という情報が出ました。両社とも現段階では「報道にある事実はない」と否定していますが、この報道をきっかけに再び記事に注目が集まったようです。
有機ELテレビといえば、LGエレクトロニクスが2011年に世界に先駆けて大型の有機ELディスプレイを発表して話題となりました。
大型の有機ELパネルを製造するには、有機薄膜を大型基板に均一に付けなければならず、製造方法が難しいとされています。その技術を確立し、大型化を発表した韓国メーカーの努力は素直に評価されるべきでしょう。
しかし、報道を見ると家電メーカー同士の戦いばかりが話題になっていますが、材料メーカーと家電メーカーの関係にも注目してみてはいかがでしょうか?
実は、記事を通読していただくと分かるように、有機ELそのものの材料という観点から見ると日本のメーカーこそが有機ELの製造を支えている構図が見えてきます。製造技術そのものも、材料メーカーの支えがあってこそだということも分かります。記事では、このほかにも有機EL「照明」事業で奮闘する日本メーカーの知財動向も紹介しています。
連載では特に言及がない限り、無償で公開されているデータベースを利用した調査内容を基に解説していただいています。連載の筆者である菅田氏はつねづね次のように語っています。
ちょっとしたライバル企業の動向なら、無料の情報からだけでも十分に分析ができます。そして技術が分かれば、ライバルが次に何をしようとしているのかは、かなり明確に見える。そこまで見えたならば、実行すべき作戦はおのずと分かるのです。
技術者が知財データベースをある程度使いこなすスキルを持っておくべき理由はここにあるようです。中堅・中小企業向けの知財情報サービスも始まるようですから、腕のある企業は海外での特許取得も視野に自社の技術をしっかりと握っておいていただきたいところです(さもなければ、「自社開発品が特許侵害に?! 身近に潜む知財リスク」にあるような恐ろしい事態が懸念されます)。
さて、今夏の電力需給動向が心配される中、家庭用の蓄電池や発電機の情報が注目を集めつつあります。第1位になった「住宅用大容量蓄電池をパナソニックが製品化、容量は1.6kWhと3.2kWh」では、パナソニック電工が現在受注中である「産業住宅用リチウムイオン蓄電システム」を紹介しています(出荷開始は2012年12月)。従来、産業用に展開していた蓄電システムを、住宅向けの規格に合致するよう、ノイズ対策を施したものになるようです(VCCI規格クラスB準拠)。
家庭用蓄電池に関しては、小寺信良氏がソニー製「ホームエネルギーサーバー」の実機を使って考察した「使ってみて分かった、家庭用蓄電装置の未来」も、参考になるでしょう。
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