ものづくり系女子が明和電機さんのアトリエに突撃! あの名ガジェット「オタマトーン」誕生の秘密を聞き出します。
本稿で紹介しているイベントは2012年3月6日17時に終了いたしました。本稿では当時のもようをお楽しみください。
読者の皆さん、こんにちは! “ものづくり系女子”ことケイズデザインラボの神田沙織です*。
2012年2月14日から開幕するモノづくりIT EXPO(概要はリンクを参照)、もう来場登録はお済みですか? たくさんの講演を動画コンテンツとして好きなときに楽しめるオンラインイベントなのです。
その中でも異彩を放つブレイクセッション「明和電機のモノづくり:アトリエから最終製品が生まれるまで」。実はこのセッションに私・ものづくり系女子も聞き手として参加しています。
*編集部注:ものづくり系女子・神田沙織氏は連載「ものづくり系女子が解説! 3Dとアートの進化」の筆者でもあります。
**会期は2012年2月14日から3月6日まで。来場登録すると講演の動画や資料をいつでもオンラインで視聴できます。
明和電機さんといえば、“昭和×町工場×ガジェット”な独自規格でアートとモノづくりをハイブリッドに具現化するアートユニット。動画セッションでは2009年に発売されて以来、大ヒット記録更新中の音符型カンタン電子楽器、オタマトーンの開発秘話に迫っています。本記事ではその一部をチラ見せしちゃいます!
2012年1月某日、とある街のアトリエにものづくり系女子と電子楽器ガジェット演奏家が訪れました。そのアトリエに入ると、出迎えるのはメカニック&キュートなおもちゃたち!
これらのおもちゃたちを作り出している明和電機は企業名ではなく、「3代目代表取締役社長」である土佐信道氏が中小企業をコンセプトにオリジナル楽器でパフォーマンスをするアートユニットです。芸術作品を生み出す傍らで、「ゆるい」ガジェットも多数世に送り出しています。明和電機製品の特徴は「全て図面にできること」。
例えば、「魚器(NAKI)シリーズ」の製品説明資料に「アルミニウムの削り出しから樹脂加工、電気配線まで、すべて明和電機社長・土佐信道の品質管理のもとで生産」とある通り、アトリエはまさに製作工場。工作機械が立ち並びます。
オタマトーンはこれまでにない全く新しい電子楽器で、構造はシンプルかつメカニカルな一品です。ネック部分のカーボンのリボンにタッチすると音が出る仕組みで、ポイントはオタマジャクシの顔の部分で響きを変えられるところ。ビブラートのような、独特の「ワウワウ♪」という音色(声色?)を楽しめます。
何を隠そう、私も松尾さんもオタマトーンユーザー。持参したマイ・オタマトーンを取り出すと、土佐社長とはごあいさつもそこそこに早速のセッション開始!
オーケストラさながらに互いの音を拾って調音していたところ、3台それぞれが同じ音を出していてもポジションが違うという面白い現象が……。
土佐社長によると「オタマトーンはそれぞれの音階が微妙に違い、また鍵盤のようにここが絶対という音はない。電池が弱くなると音は下がる傾向にありますね」とのこと。量産品でありながら、製品のバラつきやゆらぎを持ち味として残す「ゆるさ」を製品の特徴としてプラスにしています……。このあたりのさじ加減は明和電機さんならではでしょうか。
日ごろアート作品(=1点もの)を手掛ける明和電機さんですが、市販のおもちゃを作るとなるとわけが違います。動画では量産品のおもちゃをいかに生み出していくかといったリアルな開発のエピソードも語っていただいています。
この企画をきっかけに、「ものづくり系女子がレポートする工場シリーズ」が生まれるかもしれませんね(期待)。われこそは! という現場の皆さんからのお招きもお待ちしております。
土佐社長率いる明和電機さんでは、2012年春ごろをめどに新製品「オタマトーンDX」を販売すべく、現在鋭意、製品化に向けた作業を進めていらっしゃいます。
今回の製品はどんな仕上がりになるでしょうか? 改良点や試行錯誤の痕跡を見つけられるかもしれません。ぜひ動画を視聴してからご購入を。
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