品質管理に活用される主な統計的手法「特性要因図」実践! IE:現場視点の品質管理(10)(5/6 ページ)

» 2012年01月31日 12時50分 公開

特性要因図の使い方

 特性要因図は、製品の品質に影響を与えるいろいろな原因を整理し、関係づけて分かりやすく表したものです。従って、その目的に合った特性要因図がよいものだといえますが、この形にしなければならないというようなものでもありません。要は、目的に合っていて、使い勝手が良ければいいのです。使い方にもいろいろありますが、主なものを挙げると次のようになります。

(1)特性要因図を作ること自体が教育である

 特性要因図は、なるべく多くの人の意見を聞いて作る必要があります。「バラツキの原因は何だろう?」「その原因はどのような関係で品質に影響するのだろうか?」と、全員で話し合うことは、一人一人の経験や技能の内容を発表することでもあります。特性要因図の作成に参加した人は、多かれ少なかれ新しい知識を必ず得られます。特に、その仕事についてあまりよく知らない人にとっては、特性要因図の作成に参加することはもちろん、出来上がったものを見るだけでも非常に勉強になります。

(2)特性要因図は、話し合いの道しるべである

 全員で話し合いをするとき、話題が脱線して効率の上がらないことが少なくありません。特性要因図を中心にして話し合うと、何のための話し合いをしているのか、どの部分について話し合っているのかが明確になります。結果として、話題の脱線が減り、アクションに結び付いた話し合いができるようになります。その意味で、特性要因図は話し合いをするときの道しるべといえます。

(3)原因の追及は徹底的に行い、結果は特性要因図に記入し記録しておく

 品質管理としては当然のことですが、目標とした品質特性に異常が発見されたときはその原因を徹底的に追求しなければなりません。真の原因がつかめたら、特性要因図の上でも、その原因追求の手順をくり返してみると効果的です。

 もし、特性要因図で原因追求の手順が途中で切れてしまって、真の原因に結び付かないときは、枝の書き方が実際の原因と一致していないことを示していますので、特性要因図を原因の追求手順に合わせて訂正しなければなりません。また、真の原因が特性要図に記入されていないときは、特性要因図に真因を記入する必要があります。

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