テクマトリックスは米Lattixが開発したソフトウェアアーキテクチャ分析ツールの最新バージョン「Lattix 6.5」の日本語版の販売開始を発表した。
2011年4月19日、テクマトリックスは米Lattixが開発したソフトウェアアーキテクチャ分析ツールの最新バージョン「Lattix 6.5」の日本語版の販売開始(出荷開始は5月下旬予定)を発表した。同社は、国内総販売代理店として、国内販売、マーケティング、日本語ローカライズ、ユーザーサポートなどを行う。
Lattixは、タスク間の情報の流れや依存関係をマトリクスで表現するプロセス分析手法「DSM(Dependency Structure Matrix)」がベースとなっている。Java、.NET、C/C++で開発されたソフトウェアや、Spring、Hibernateなどのフレームワーク、さらにはOracle、SQLなどのデータベース、UML/SysMLのモデルデータなどを解析し、その構成要素(サブシステムやモジュール、ファイル、関数など)の構造と依存関係をマトリクスで可視化し、アーキテクチャの改善ポイントや影響範囲の分析を効率化することができるツールだ。これまで、車載機器、複合機、デジカメなどのコンシューマ機器などを手掛けるメーカーで採用実績があり、世界約500社、国内約200社で既に採用されているという。
現在、システムの複雑化・高度化が進み、ソフトウェア開発の現場は、「システムの全体像が把握できない」「当初の設計と実装が乖離(かいり)してしまっている」「変更を加えた際の影響範囲が分からない」といった課題を抱え、さらには「機能分割ができないため効果的なソフトウェアの再利用ができない」「ソースコードがスパゲティ状態でバグのモグラたたき状態になっている」といった設計開発の効率化、保守面での課題を抱えていることが多い。
こうした課題に対し、一般的にアーキテクチャ全体を可視化するアプローチが取られるが、UMLなどによるリバースモデリング分析では、ファイル間の関連が描画された巨大な図表となり、その構造を把握し検証することが難しい(特に大規模なソフトウェアの場合)。しかし、LattixのDSMによる分析の場合は、階層マトリクスによる表現を用いているため、アーキテクチャ全体を俯瞰(ふかん)することが可能で、設計との乖離を容易に把握することができるという。Lattixには、この階層マトリクス表現による「アーキテクチャの把握」のほか、「依存関係のルール管理」「変更による影響分析」「アーキテクチャ評価」といった機能が備わっている。アーキテクチャの再構築・最適化、リファクタリングにLattixを活用することで、ソフトウェアの再利用性や保守性が向上するだけでなく、設計変更時のトラブルや機能追加時のでグレードなど、開発工数の増大を引き起こすような問題に素早く対処することができるという。
今回の新バージョン6.5では、「Lattixリポジトリ/Lattix Webアプリケーション」が追加されている。Lattixリポジトリに収集・蓄積された分析データを用い、プロジェクトの初期段階から現在までのアーキテクチャやメトリクス値の変化、アーキテクチャ違反数の推移などを閲覧できるレポートが作成可能となった。また、Lattix Webアプリケーションにより、Webブラウザ上でレポートが閲覧できるため、プロジェクト管理者や品質管理者などとの情報共有も容易に行える。
その他、6.5ではActionScriptのサポート(解析対応言語として)、アーキテクチャメトリクスの強化、レポート機能の強化、パフォーマンスの向上が図られている。
なお、Lattix 6.5は、GUI上で実施可能なLattixの全機能を利用できるコアアプリケーション「Lattix LDM」、プロジェクトの作成、保存など一部の機能が制限された参照用アプリケーション「Lattix LDV」、プロジェクトの作成/更新、レポートの生成をコマンドラインで実行するアプリケーション「Lattix LDC」、分析レポートの蓄積とWebブラウザからの閲覧ができるアプリケーションセット「Lattix Repository Package」で構成される(価格については同社に問い合わせしていただきたい)。
同社は、2011年5月11〜13日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第14回 組込みシステム開発技術展(ESEC2011)」に出展する。Lattixに興味のある方は、テクマトリックスのブースに足を運んでみてはいかがだろうか。
会期 | 2011年5月11日(水)〜13日(金) |
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時間 | 10:00〜18:00(13日は17:00に終了) |
会場 | 東京ビッグサイト |
テクマトリックス・ブースNo. | 西展示棟 西 1-74 |
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