EV/HEV時代に欠かせないエレクトロニクスメーカーカーエレ JAPAN/EV JAPANレポート(2/2 ページ)

» 2010年01月26日 00時00分 公開
[西坂真人,@IT MONOist]
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 今回のQMETドライブは、2009年6月に発表したマツダのHEV「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」向けモータドライブシステムをブラッシュアップしたもの。同車に搭載された水素ロータリーエンジンはモータ駆動用の電気を発電するためのものなので、高速走行時にはガソリンエンジンを使うHEV(プリウスやインサイトなど)とは違い、低速から高速までモータのみで走るEVのような動力系になる。


画像6 QMETドライブシミュレータ

 「EVやプレマシーハイドロジェンREハイブリッドのようなHEVは、広い速度範囲でしっかりしたトルクを発生させないといけない。また、走行距離を長くするためには高効率にもしたい。それらを実現するために、電子式巻線切り替え技術を採用した。今回の展示システムでは、モータと電子スイッチを一体化して両者間で存在していたケーブル(計6本)を省略化した。自動車ではケーブル1本でも重量増になるし、引き回しの工夫も必要。軽量化やコストダウンにも貢献できる」(担当者)。

 巻線切り替え技術は、もともと同社が手掛けてきた工作機械など産業用向けモータで実績があったテクノロジーを応用したという。

 「HEVやEVが自動車の主流になったときには、駆動部品の供給が追いつかない事態に陥るだろう。クルマ用のインバータやモータは当面カスタム開発せざるを得ないかもしれないが、中で使う部品やシステム技術などは標準化して提供していきたい。日本の自動車メーカーに限らず、全世界で採用してもらえるような体制で臨んでいる」(担当者)。

指先感覚で操作する車載用次世代インターフェイス――SMK

 スイッチ/コネクタメーカーのSMKは、指先で操作感を確かめられるフォースフィードバックタッチパネルの新製品として「2段階入力フォースフィードバックタッチパネル」を参考出展していた。

 「これは昨年のCEATECで初披露したもので、次世代のHMI(Human Machine Interface)として提案している。国内だけなく、海外、特に中国メーカーから引き合いが多くきている。ブラインドタッチで操作ができることをコンセプトに開発。画面のどこを触っても同じ操作で行え、選択の可否と何を選択したかが振動パターンで分かるようになっている」(担当者)。

 2段階での押し加減に対応したことで、同じ操作位置で2種類のGUI設計が可能になったほか、1段階目と2段階目で違う振動設計ができるため、それらの組み合わせでまったく画面を見ずにさまざまな機器操作を行えるようになった。

 会場では、2段階入力フォースフィードバックタッチパネルを搭載したカーナビの画面でオーディオやエアコンの操作画面を表示できるアプリケーションを用意。画面のどこを押しても操作メニューが現れる様子や、カーナビ/オーディオ/エアコン/各種設定への画面遷移が指先の感覚ひとつで操作できる様子などが紹介されていた。

画像7(左) 2段階入力フォースフィードバックタッチパネル。画像8(右) 画面遷移が指先の感覚ひとつで操作可能。
画像9(左) ボリュームのコントロールも画面のどこでも可能。画像10(右) 回転操作による機能選択もできる。

 「今回の展示は液晶画面上でのタッチパネルだが、タッチパッド型のデバイスも開発中。自動車のステアリングに設置し、より運転に支障をきたすことなく手元で同じ操作が行えるようなデバイスも検討している。こういったデバイスを使えば、スイッチなどメカニカルな機構を省略できるほか、1台でさまざまな機能を併載できるのでコストダウンにもつながる。自動車に限らず、携帯電話やテレビのリモコンなど、幅広い応用展開を考えている」(担当者)。

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